ゆるゆるOblivion

Oblivion妄想RP日記です。渋親父率高いので、加齢臭漂ってます

夜、歩く8

:注意:
このお話は「Vampire Cure」クエストを元にしています。
ネタバレしていますので、これから遊ぼうとしている方はご注意下さいませ







-夜、歩く-

8.



翌々日の朝。
平日だというのにMiaは起きてこない。
おっさんは朝食を取りながらEyjaに彼女を起こしてくるよう促した。


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「旦那様、Miaさんはお体の具合が悪いそうで、今日はお休みするそうですよ」

「風邪か?」

「布団の中に潜ったままなので症状の方まではちょっと・・・」

「そうか。薬と食事を後で持って行ってあげてくれ」




おっさんはいつも通りの時間に出勤した。
今日は書類仕事の類しかなかったので、夕方頃には帰宅することができた。

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「旦那様、Miaさんの具合なのですが・・・」

「どうした、思った以上に重いのか?」

「それが、布団から全く出てきてくれないのです」
「食事にも手をつけてくれませんし・・・」


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Eyjaは3階で寝ているMiaの事を思い、心配そうに天井を見上げた。


「全然出てこないのか?」

「ええ、熱を測らせてもらおうとしたら、嫌がってさらに潜ってしまわれました」
「お医者様に相談した方がよろしいですかね?」


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「先に私が様子を見てからだ。」

「大事に至らなければよろしいのですが・・・」


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おっさんはMiaの寝ているベッドの横に立っていた。

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「Mia、起きてるか?」


彼女は頭の先までスッポリ布団の中に入っている。
返事がないので、おっさんは無理矢理布団をめくろうとした。

『うううう、やめてええええ><』

くぐもった声と共に、内側から絶対にはぎ取られまいと布団を力一杯引っ張られた。

「寝てたんじゃないのか」
「どんな具合だ?Eyjaが心配していたぞ」

『ごめんなさい・・・。なんかダルくて、食欲がないの・・・』
『Eyjaさんには心配しないでって言っといて。2~3日寝てればすぐ良くなると思うから』

「ちょっと顔を見せてみろ。熱はないのか?」

『大丈夫、熱はないから・・・』



一向に布団から出てくる気配はない。

おっさんは不思議に思った。
食事に手もつけず、水も飲まない。
しかも朝から姿を現さず、ずっとベッドの中に潜りっぱなし。

これは異常なことだった。

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「Mia、本当に伯爵に何もされなかったのか?」

『何もされてないわよ。されてたらどうにかなるの?』

「なるんだよ」

『・・・・どうなっちゃうの・・・?』

「君は伯爵の瞳を見て気が付かないのか?」


彼女は伯爵の怪しい光を湛えたあの瞳が好きだった。
常人とは違う、不思議な魅力をもった目だと初めて出会った日からずっと思っていた。
一目惚れ同然なので彼の長所の一つだとばかり思っていたが、よく考えると違うような気がする。

そう、同じような瞳を持つ人間と戦い、何度か息の根を止めているからだ。


『・・・・彼は、吸血鬼なの・・・?』

「そうだ」
「とっくに気付いているものだとばかり思っていたが・・・」

『だって、あの瞳の色が好きなんだもの・・・』


だから伯爵へ手紙を渡しに行ったあの日、おっさんは彼女の首筋を確認したのだ。

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「色呆けもほどほどにしろ。手遅れになってからでは困るんだ、少し調べさせてもらうぞ」
「ほら、布団から出ろ。心配なんだ」

『・・・・・』


布団の中でどうしようか悩んでいるようだ。
暫くすると頭半分だけが出てきた。


『・・・・私の顔見ても笑わない・・・?』

「そんなに面白い顔をしていたか?」

『・・・私の顔、急におかしくなっちゃったの・・・』
『見ても笑わないでね・・・・』

恐る恐る布団から顔を出す。
そこから出てきたのは見知っている顔ではなかった。

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おっさんの目に驚きが混じった。


「なんか急に痩せこけちゃって・・・」
「私、凄くショックで、誰にも見られたくなくって・・・><」

「よく見せてくれ」

おっさんは俯き嘆くMiaの顎に手を当て、上や横に顔を向けさせた。
老人のような皺、潤いを失ったカサカサな皮膚、頬はすっかりこけてしまいまるで病人のようだ。
青白い唇からこぼれる歯には鋭い犬歯。
そして、瞳の色が伯爵のそれと同じものに変わっていた。

「なんてこった。」

おっさんは首を左右に振りながら、変わり果てたギルドマスターの姿に落胆した。

「見事なまでにPorphyric Hemophilia(血友病)じゃないか」
「伯爵に噛まれたわけでもないのに、どうして・・・」

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「え、私、吸血鬼になっちゃったの?」

いまいち状況が飲み込めてない。


「おめでとう。これで君も伯爵の仲間入りだな」
「さらに親密になれることは確実だ。友達以上の関係も夢じゃないな」

「ちょ、ちょっと待ってよ!私、こんな姿嫌だよ!こんなカサカサじゃ、伯爵に嫌われちゃうよ><」

「同族を嫌うわけないだろう」

「まだ若いのに・・・・、こんなひからびた干物みたいに・・・、・・・・耐えられない・・・」ぐすん


Miaは泣き出してしまった。
いくらSir.Knightとはいえ、若い彼女にはさすがにこれはキツイようだ。


「発病したのが今日だから逆算すると・・・やはり手紙を持って行った日に感染したようだな」


彼女には思い当たるフシがあった。


「・・・そっか、あの野盗達、吸血鬼だったんだ・・・」


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急いでいたから遺体を確認することはしなかった。
だが、暗闇の中で光る目のことを思い出すと、今となってはそうとしか思えない。
Miaは野盗退治の事をおっさんに説明した。


「何故それを言わない。しかも一人で行くなんて無謀だろう」

「だって、簡単な仕事だと思ったし、手柄も立てたかったんだもの・・・」

「君には毎日教会に祈りを捧げに行く習慣はないのか?」

「滅多に行かないわ。あまり好きじゃないの」

なんとなく居心地が悪いのだ。


「・・・ねえ、どうやったら治るの?今から教会にお祈りに行ったら治る?」

「手遅れだ」

「・・・・もう・・・無理なの・・・?」


おっさんは何も言わない。
静けさの中、彼女の嗚咽だけが絶えることなく続いた。

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「・・・・・泣くな・・・・」


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彼女が泣いている間中ずっと傍らに立っていた。
離れることができなかったのだ。

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「治す方法はある」

Miaが涙で濡れた顔を上げ、おっさんを見つめた。
酷く驚いた顔をしている。

「・・・材料も揃ってるし、作り方もわかっている」
「後は、知り合いの魔女に会うだけだ」

「・・・どうしてそんなに手回しがいいの・・・?」

まるで最初から用意されていたような、予定調和のような話だ。

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「数年前から伯爵に依頼されていたんだ。・・・治療薬を作るようにとな。」
「調合方法を知っている人間は今では数少ない・・・」

おっさんと伯爵の手紙の内容は治療薬の事だったようだ。
おっさんはなんらかの理由で、それをずっと拒んでいたらしい。

「だから、安心しろ。君の病気は治る」

「・・・本当・・・?」

「ああ」

「うう、良かった・・・・」ぐすん

彼女は安心したのか、泣きながら笑っていた。


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Miaの様子が落ち着いたのを確認すると、彼は早足で階下へと降りて行った。
表には出さなかったが、内心怒りで満ち溢れており、いてもたってもいられなかった。


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「旦那様、Miaさんの御様子はいかがでした・・・?」

夕飯の準備をしているEyjaが顔を出した。
おっさんは出かける準備をしているようだ。

「大丈夫だ。ただ、伝染る病かもしれないので暫く部屋には入らない方がいいだろう」
「ちょっと出掛けてくる」

「あ!ご飯の用意がもうすぐできますけど・・・」

「先に食べててくれ」

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彼は素早く身支度すると飛び出すように玄関を開け、闇夜に消えていった。



-つづく-





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