ゆるゆるOblivion
Oblivion妄想RP日記です。渋親父率高いので、加齢臭漂ってます
英雄の条件~第3話
○英雄(ヒーロー)の条件○
第3話
お金の無い当時から今も(もちろん、今も万年金欠病)、Miaは決まって必ずAnvilの武器屋Morvayn's Peacemakersで戦利品を売りさばいていた。

街の入り口から近いという立地の良さもあるが、一番はやはり買い取り価格だろう。
色んなお店で売買し価格調査を行ってきた結果、ここが一番良心的であることを掴んだのだ。

店の親父さんことVarel Morvaynもどことなく知り合いのModrynに似ており、顔を合わせる度にニヤニヤするのも楽しみのひとつだった。
Modrynと違って口は悪くないし、職人気質な所にも好感が持てた。

Miaは溜まった戦利品を持って久し振りにその店を訪れていた。
いつものように店主がにこやかに彼女を迎えてくれる。
「何か面白い物でも見つかったかい?」
彼女がテーブルの上に戦利品を無造作に置くので、親父さんは品定めしやすいよう分類しながら並べ直している。
「魔法のかかった短剣くらいかしら。後はよく見かける物ばかりよ」
「そう言うけどね、そうそうエンチャントされた剣なんて物は手に入らないんだよ?」

「そうなの?冒険に行くと普通に箱に入ってるから当たり前だと思ってたわ」

「Miaさんはツイてるんだよ、運がついてるってやつだな。鳥のウンチでも服についてるんじゃないかな?」
「やだー、そんなものついてる時点で運がないような気がするわ」
眉を潜めながら苦笑しているMia。
「ははは、うまいこと言ったと思ったんだけどな」
親父さんがくだらない自分のジョークで笑いながら戦利品を見定めている間、
何気ない会話をしながらMiaは店内を見回していた。

いつもの様に作業場を掃除している男性がおり、それがいつも手伝いに来ているWoodElfの少年ではない事にふと気付いた。
「あれ?いつもの彼じゃないの?」
同じようなエルフのようだが、大分身長が高い。
「ああ、あいつは今日はまだ来てないよ。」
「ちょっと」
親父さんがエルフの青年を手招きして呼び寄せた。

女性と見紛う程の美男子で、とても綺麗な緑色の瞳を持った金髪の若いエルフだった。
この鍛冶場には相応しくないほどの気品を漂わせており、種族特有の高貴な雰囲気はどうやっても隠し通せないようだ。

「Richard(リチャード)だ。弟子になりたいって言うんで、先月から住み込みで働いてもらってるんですよ」
「こちらはお得意様の戦士ギルドマスター、Miaさんだ。Sir.Knightとして名を馳せているお方だぞ」
「初めてお目にかかります。お会いできて光栄です」
「こちらこそ、宜しくね」
二人は挨拶を挟みながら握手を交わした。
「凄いわね、親父さんもついに弟子持ちかぁ」
「まあ、大きな声じゃ言えないが、腕はあるからねぇ」
「確かにそうよね。」
Miaは素直に納得していた。
「ははは、Miaさんに言われると舞い上がっちまいそうになるよ」
「10cm程浮いてるわよ」
「おおっと」
親父さんは足場を確かめるためその場で軽くステップを踏んだ。
「まぁ、まだまだ見習いだ。至らない点は多めに見てやって下さいよ」
店主はまだ若いエルフの肩に手を置き、ポンポンと叩いた。
「これからもどうぞ宜しくお願いします」
Richardは深々と頭を下げた。
そのお辞儀の仕方があまりにもきっちりしていたので、Miaは少し気後れしながらも失礼のないよう頭を下げた。
気恥ずかしそうに笑う彼に釣られ、Miaも思わず笑顔を浮かべた。
-----------------------------------
ある日の午後、chevとの訓練を終えたMiaは、池の前で佇んでいるRichardを見かけた。

chevの自宅へと戻る道がてら、何気なく声をかける。
「こんにちは」
彼はビクっと身を震わせた後、酷く驚いた顔つきで、しかもうわずりながら「こんにちは」と返した。
どうも今のこの姿を知人に見られたくない様子だった。
何かを思い悩んでいるのか、表情がやけに暗く、肌にも色がなかった。
「ごめんなさい、お邪魔だったかしら」
「い、いえ、そんなことはありません」
声にも全く元気がなかった。
「なんだ、何かあったのか?相談事なら引き受けるぜ。一杯行くか?」
chevもAnvilに移住してからはあの武器屋の常連になっており、もちろんRichardとも顔見知りだった。
たまに酒場で一杯引っ掛けながら、夜を明かすこともある。
「・・・いや、今日は遠慮しておきます・・・」
「なんだよ、元気ねーな」
Richardは「なんでもありません」と繰り返すばかりだったが、親身になって心配してくれる二人に対して申し訳なく思ったのか、渋々と落ち込んでいる理由を話し始めた。

「・・・いつも雑用と掃除ばかりで、いつまで経っても鉄を打たせてもらえないんです・・・。
僕は故郷である程度の鍛冶修行をしていたので、それなりに腕はあるつもりです。
マイスターもそれを御存知の筈なのですが、くれる仕事は鍛冶仕事に関係ないことばかり。
弟子になった直後に一度だけ鉄を打つ作業を見ていただいたことがありますが、それっきりです。
・・・もしかして、僕には才能がないのでしょうか・・・。
才能がないから、もう、打たせてもらえない。
そう思うと、どうしていいのかわからなくなってしまって・・・」
彼は自分に鍛冶屋としての才能がないのではないかと、疑心暗鬼に陥っているようだった。
「でも、僕はこの仕事が好きなんです。一日も早く、技を身に付けて一人前になりたい。
だからどうしても鉄を打たせて欲しいと、頼んでみたのですが・・・。
”お前にはまだ早い”と一蹴され終わりです。
打たせてもらえなければ、上達するものもしないと思うのですが、この考えは間違っているのでしょうか?」
彼は信頼している親方に対しても不信感を持ち始めているようだった。
「親父さんには親父さんなりの考えがあるんだろうさ。あんたは弟子なんだから、従っといた方が身のためなんじゃねーのか?」
「まあ、そうですが・・・」
まだ若いエルフは腑に落ちない様子だった。
「気がはやるのはわからないでもないわね。ちょっとくらい打たせてくれてもいいのにねー」
「ですよね?そう思いますよね?」
同意してくれたMiaの言葉が嬉しくて、身を乗り出すように便乗するRichard。
「僕の腕をもっと信用してくれればいいのに。剣だって何本か作ったことがあるんですよ?
マイスター程ではありませんが、僕にだって出来るんです。」
「作れるんだったらやらせてあげればいいのにねー」
「俺達が決める事じゃねーだろ?ここでぶーすか言ってたって埒があかねー。自力でなんとかするしかねーだろ」
Richardの力にもなってあげたいが、親父さんの思惑を損ねるわけにもいかない。
Miaとchevはあれこれと考えあぐねている。
何かいい方法はないかと悩んでいると、Miaがあることを思い出した。
「そいえば、Anvil支部の鍛冶を引き受けてくれているあの人、怪我しちゃったんですって?」
「落馬して右肩を脱臼したらしい。おかげで修理品が山積みになっちまったよ。まったく、使えねーなー」
chevは困ったように頭をポリポリと掻いた。
その話を聞いたMiaは急に何か閃いたのか、パっと目を見開きRichardに向き直った。
「丁度いいじゃない。Richard、あなたが変わりに修理を引き受けてくれない?」
「え?僕がですか?」
「助けると思って手伝ってくれると、ありがたいんだけどな~・・・」
Richardはどうしようかと迷っているようだ。
あまりにも突然な申し出のため、うまく考えがまとまらないのだ。

「もちろんそれに見合ったお金も支払うわ。うちの者の怪我が治るまでの間でいいから、頼まれてくれないかしら?」
「お前がやってくれるなら、俺達も助かるぜ」
二人が期待に満ちた顔つきで自分を見ている。
Richardは最初尻込みしていたが、自分の腕を世間に知らしめるチャンスだと思い、
仕事を引き受けることにした。
:
:
:
:
:
:
-後日-
Richardは戦士ギルドの鍛冶部屋に案内されていた。

「仕事をする時はここを自由に使ってくれて構わないわ。一通り揃ってる筈だから、道具には困らないと思うの」
彼はこの部屋を独占して使用出来ることに、とても感激していた。
自分の城を持てたような、一人前になれたような、そんな錯覚を覚えたのだ。

しかし、喜んでいるのも束の間、炉の近くに武器が大量に山積みされていることに気付いた。
「・・・もしかして、これが・・・?」
恐る恐る近付いてみる。
まるで棘棘のガラクタ山だ。
そこへchevがさらに上積みした。
「これだけじゃねーぞ。まだあっちにもある」
壁沿いに色んな武器が無造作に転がっていた。
「なんでこんなに・・・」
Richardが目を白黒させながら呟いた。
chevは剣を1本取り、ボロボロになった刃を指先でなぞりながらそれに答えた。
「うーん?なんかあいつさ、修理品溜めてたらしいんだ。まとめて直そうと思ってたんだとよ。
まあ、お前には悪ぃが、ツケが回ってきちまったんだなー」
呆然と武器の山の前で立ち尽くしている彼が少し可哀想に思えてきた。

Chevは剣を山に戻すと、彼の肩に腕をかけ元気付けるよう明るい調子で付け加えた。
「なーに、大丈夫だよ。こんなもん、あっという間に終わるさ。
店の仕事が暇な時にでも片付けてくれればいいんだよ」
「なあ、ギルマス」
「そうね。」
Miaは頷いた。
鎧は修理出来るかと訪ねると、武器専門だと彼は答えた。
仕方ないので鎧は他に任せるとして、とりあえず武器のみを修理してもらうことにした。
「ちょっと量が多いけど、あなたなら心配ないわ。気楽にやって頂戴」
「そうね、1本5gでお願いできるかしら。仕上がり具合によっては値を上げてもいいわ」
黙って武器の山を見つめていたRichardがようやく顔を上げた。
職人魂に火が点いたのか、打って変わって凛々しい表情をしている。
かなりやる気になってるようだ。
「わかりました。承りましょう。」
「ありがとう、助かるわ」
Miaが微笑みながら右手を差し出すと、彼もまた気合の乗り切った表情を浮かべながら同じように手を差し出した。

握手を交わした後、彼女が彼の手を見ながら羨ましそうに呟いた。
「・・・・綺麗な手ね。」
少し切なそうに自分の手と見比べている。
彼のものは指がほっそりと長く、しなやかで傷一つないとても綺麗な手をしていた。
自分の物とは真逆だった。
「私のとは大違い。恥ずかしいわ」
彼女は手をそっと後に隠し、恥ずかしそうに笑っていた。
「あなたは剣を振るうことがお仕事ですから、仕方ありません」
「ちゃんと泥とかは綺麗に洗って落としてるんだけどね。肉刺(まめ)やタコはどうにもならないのよ」
「それじゃあ、お願いしますね。困ったことがあったら手近な者にでも聞いて」
「わかりました」
「俺も上にいるからな。じゃな」
二人は地下室を後にした。
残された若いエルフの職人は、早速炉の炎の調節をすると、気合十分に仕事を始めた。
-つづく-
第3話
お金の無い当時から今も(もちろん、今も万年金欠病)、Miaは決まって必ずAnvilの武器屋Morvayn's Peacemakersで戦利品を売りさばいていた。

街の入り口から近いという立地の良さもあるが、一番はやはり買い取り価格だろう。
色んなお店で売買し価格調査を行ってきた結果、ここが一番良心的であることを掴んだのだ。

店の親父さんことVarel Morvaynもどことなく知り合いのModrynに似ており、顔を合わせる度にニヤニヤするのも楽しみのひとつだった。
Modrynと違って口は悪くないし、職人気質な所にも好感が持てた。

Miaは溜まった戦利品を持って久し振りにその店を訪れていた。
いつものように店主がにこやかに彼女を迎えてくれる。
「何か面白い物でも見つかったかい?」
彼女がテーブルの上に戦利品を無造作に置くので、親父さんは品定めしやすいよう分類しながら並べ直している。
「魔法のかかった短剣くらいかしら。後はよく見かける物ばかりよ」
「そう言うけどね、そうそうエンチャントされた剣なんて物は手に入らないんだよ?」

「そうなの?冒険に行くと普通に箱に入ってるから当たり前だと思ってたわ」

「Miaさんはツイてるんだよ、運がついてるってやつだな。鳥のウンチでも服についてるんじゃないかな?」
「やだー、そんなものついてる時点で運がないような気がするわ」
眉を潜めながら苦笑しているMia。
「ははは、うまいこと言ったと思ったんだけどな」
親父さんがくだらない自分のジョークで笑いながら戦利品を見定めている間、
何気ない会話をしながらMiaは店内を見回していた。

いつもの様に作業場を掃除している男性がおり、それがいつも手伝いに来ているWoodElfの少年ではない事にふと気付いた。
「あれ?いつもの彼じゃないの?」
同じようなエルフのようだが、大分身長が高い。
「ああ、あいつは今日はまだ来てないよ。」
「ちょっと」
親父さんがエルフの青年を手招きして呼び寄せた。

女性と見紛う程の美男子で、とても綺麗な緑色の瞳を持った金髪の若いエルフだった。
この鍛冶場には相応しくないほどの気品を漂わせており、種族特有の高貴な雰囲気はどうやっても隠し通せないようだ。

「Richard(リチャード)だ。弟子になりたいって言うんで、先月から住み込みで働いてもらってるんですよ」
「こちらはお得意様の戦士ギルドマスター、Miaさんだ。Sir.Knightとして名を馳せているお方だぞ」
「初めてお目にかかります。お会いできて光栄です」
「こちらこそ、宜しくね」
二人は挨拶を挟みながら握手を交わした。
「凄いわね、親父さんもついに弟子持ちかぁ」
「まあ、大きな声じゃ言えないが、腕はあるからねぇ」
「確かにそうよね。」
Miaは素直に納得していた。
「ははは、Miaさんに言われると舞い上がっちまいそうになるよ」
「10cm程浮いてるわよ」
「おおっと」
親父さんは足場を確かめるためその場で軽くステップを踏んだ。
「まぁ、まだまだ見習いだ。至らない点は多めに見てやって下さいよ」
店主はまだ若いエルフの肩に手を置き、ポンポンと叩いた。
「これからもどうぞ宜しくお願いします」
Richardは深々と頭を下げた。
そのお辞儀の仕方があまりにもきっちりしていたので、Miaは少し気後れしながらも失礼のないよう頭を下げた。
気恥ずかしそうに笑う彼に釣られ、Miaも思わず笑顔を浮かべた。
-----------------------------------
ある日の午後、chevとの訓練を終えたMiaは、池の前で佇んでいるRichardを見かけた。

chevの自宅へと戻る道がてら、何気なく声をかける。
「こんにちは」
彼はビクっと身を震わせた後、酷く驚いた顔つきで、しかもうわずりながら「こんにちは」と返した。
どうも今のこの姿を知人に見られたくない様子だった。
何かを思い悩んでいるのか、表情がやけに暗く、肌にも色がなかった。
「ごめんなさい、お邪魔だったかしら」
「い、いえ、そんなことはありません」
声にも全く元気がなかった。
「なんだ、何かあったのか?相談事なら引き受けるぜ。一杯行くか?」
chevもAnvilに移住してからはあの武器屋の常連になっており、もちろんRichardとも顔見知りだった。
たまに酒場で一杯引っ掛けながら、夜を明かすこともある。
「・・・いや、今日は遠慮しておきます・・・」
「なんだよ、元気ねーな」
Richardは「なんでもありません」と繰り返すばかりだったが、親身になって心配してくれる二人に対して申し訳なく思ったのか、渋々と落ち込んでいる理由を話し始めた。

「・・・いつも雑用と掃除ばかりで、いつまで経っても鉄を打たせてもらえないんです・・・。
僕は故郷である程度の鍛冶修行をしていたので、それなりに腕はあるつもりです。
マイスターもそれを御存知の筈なのですが、くれる仕事は鍛冶仕事に関係ないことばかり。
弟子になった直後に一度だけ鉄を打つ作業を見ていただいたことがありますが、それっきりです。
・・・もしかして、僕には才能がないのでしょうか・・・。
才能がないから、もう、打たせてもらえない。
そう思うと、どうしていいのかわからなくなってしまって・・・」
彼は自分に鍛冶屋としての才能がないのではないかと、疑心暗鬼に陥っているようだった。
「でも、僕はこの仕事が好きなんです。一日も早く、技を身に付けて一人前になりたい。
だからどうしても鉄を打たせて欲しいと、頼んでみたのですが・・・。
”お前にはまだ早い”と一蹴され終わりです。
打たせてもらえなければ、上達するものもしないと思うのですが、この考えは間違っているのでしょうか?」
彼は信頼している親方に対しても不信感を持ち始めているようだった。
「親父さんには親父さんなりの考えがあるんだろうさ。あんたは弟子なんだから、従っといた方が身のためなんじゃねーのか?」
「まあ、そうですが・・・」
まだ若いエルフは腑に落ちない様子だった。
「気がはやるのはわからないでもないわね。ちょっとくらい打たせてくれてもいいのにねー」
「ですよね?そう思いますよね?」
同意してくれたMiaの言葉が嬉しくて、身を乗り出すように便乗するRichard。
「僕の腕をもっと信用してくれればいいのに。剣だって何本か作ったことがあるんですよ?
マイスター程ではありませんが、僕にだって出来るんです。」
「作れるんだったらやらせてあげればいいのにねー」
「俺達が決める事じゃねーだろ?ここでぶーすか言ってたって埒があかねー。自力でなんとかするしかねーだろ」
Richardの力にもなってあげたいが、親父さんの思惑を損ねるわけにもいかない。
Miaとchevはあれこれと考えあぐねている。
何かいい方法はないかと悩んでいると、Miaがあることを思い出した。
「そいえば、Anvil支部の鍛冶を引き受けてくれているあの人、怪我しちゃったんですって?」
「落馬して右肩を脱臼したらしい。おかげで修理品が山積みになっちまったよ。まったく、使えねーなー」
chevは困ったように頭をポリポリと掻いた。
その話を聞いたMiaは急に何か閃いたのか、パっと目を見開きRichardに向き直った。
「丁度いいじゃない。Richard、あなたが変わりに修理を引き受けてくれない?」
「え?僕がですか?」
「助けると思って手伝ってくれると、ありがたいんだけどな~・・・」
Richardはどうしようかと迷っているようだ。
あまりにも突然な申し出のため、うまく考えがまとまらないのだ。

「もちろんそれに見合ったお金も支払うわ。うちの者の怪我が治るまでの間でいいから、頼まれてくれないかしら?」
「お前がやってくれるなら、俺達も助かるぜ」
二人が期待に満ちた顔つきで自分を見ている。
Richardは最初尻込みしていたが、自分の腕を世間に知らしめるチャンスだと思い、
仕事を引き受けることにした。
:
:
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:
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:
-後日-
Richardは戦士ギルドの鍛冶部屋に案内されていた。

「仕事をする時はここを自由に使ってくれて構わないわ。一通り揃ってる筈だから、道具には困らないと思うの」
彼はこの部屋を独占して使用出来ることに、とても感激していた。
自分の城を持てたような、一人前になれたような、そんな錯覚を覚えたのだ。

しかし、喜んでいるのも束の間、炉の近くに武器が大量に山積みされていることに気付いた。
「・・・もしかして、これが・・・?」
恐る恐る近付いてみる。
まるで棘棘のガラクタ山だ。
そこへchevがさらに上積みした。
「これだけじゃねーぞ。まだあっちにもある」
壁沿いに色んな武器が無造作に転がっていた。
「なんでこんなに・・・」
Richardが目を白黒させながら呟いた。
chevは剣を1本取り、ボロボロになった刃を指先でなぞりながらそれに答えた。
「うーん?なんかあいつさ、修理品溜めてたらしいんだ。まとめて直そうと思ってたんだとよ。
まあ、お前には悪ぃが、ツケが回ってきちまったんだなー」
呆然と武器の山の前で立ち尽くしている彼が少し可哀想に思えてきた。

Chevは剣を山に戻すと、彼の肩に腕をかけ元気付けるよう明るい調子で付け加えた。
「なーに、大丈夫だよ。こんなもん、あっという間に終わるさ。
店の仕事が暇な時にでも片付けてくれればいいんだよ」
「なあ、ギルマス」
「そうね。」
Miaは頷いた。
鎧は修理出来るかと訪ねると、武器専門だと彼は答えた。
仕方ないので鎧は他に任せるとして、とりあえず武器のみを修理してもらうことにした。
「ちょっと量が多いけど、あなたなら心配ないわ。気楽にやって頂戴」
「そうね、1本5gでお願いできるかしら。仕上がり具合によっては値を上げてもいいわ」
黙って武器の山を見つめていたRichardがようやく顔を上げた。
職人魂に火が点いたのか、打って変わって凛々しい表情をしている。
かなりやる気になってるようだ。
「わかりました。承りましょう。」
「ありがとう、助かるわ」
Miaが微笑みながら右手を差し出すと、彼もまた気合の乗り切った表情を浮かべながら同じように手を差し出した。

握手を交わした後、彼女が彼の手を見ながら羨ましそうに呟いた。
「・・・・綺麗な手ね。」
少し切なそうに自分の手と見比べている。
彼のものは指がほっそりと長く、しなやかで傷一つないとても綺麗な手をしていた。
自分の物とは真逆だった。
「私のとは大違い。恥ずかしいわ」
彼女は手をそっと後に隠し、恥ずかしそうに笑っていた。
「あなたは剣を振るうことがお仕事ですから、仕方ありません」
「ちゃんと泥とかは綺麗に洗って落としてるんだけどね。肉刺(まめ)やタコはどうにもならないのよ」
「それじゃあ、お願いしますね。困ったことがあったら手近な者にでも聞いて」
「わかりました」
「俺も上にいるからな。じゃな」
二人は地下室を後にした。
残された若いエルフの職人は、早速炉の炎の調節をすると、気合十分に仕事を始めた。
-つづく-
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師匠と弟子の間でよくあるお話ですので、あまり真新しさはありませんです。
つまらなくて申し訳ない・・・orz
Anvilの武器屋Morvayn's Peacemakersにはいつもお世話になっています。
ここが一番高い値段で買い取ってくれるような気がするので、本当によくここでアイテムを売ってるんですよ(笑)
あと、実際にはAnvilの戦士ギルドの地下には鍛冶部屋がないので、Skingladで撮影しています。
Richard(リチャード)は私の男性キャラにしては珍しく親父でもなく、無精髭もなく、さらには美形なので、なんか新鮮でした。
無闇にアップばかり撮っちゃいました^^;
今回はこのRichardと三十路手前魔女っこClaudiaの話が交互に続きます。
分かり辛いかも知れませんが、お付き合い下さるとありがたいです。
師匠と弟子の間でよくあるお話ですので、あまり真新しさはありませんです。
つまらなくて申し訳ない・・・orz
Anvilの武器屋Morvayn's Peacemakersにはいつもお世話になっています。
ここが一番高い値段で買い取ってくれるような気がするので、本当によくここでアイテムを売ってるんですよ(笑)
あと、実際にはAnvilの戦士ギルドの地下には鍛冶部屋がないので、Skingladで撮影しています。
Richard(リチャード)は私の男性キャラにしては珍しく親父でもなく、無精髭もなく、さらには美形なので、なんか新鮮でした。
無闇にアップばかり撮っちゃいました^^;
今回はこのRichardと三十路手前魔女っこClaudiaの話が交互に続きます。
分かり辛いかも知れませんが、お付き合い下さるとありがたいです。