ゆるゆるOblivion
Oblivion妄想RP日記です。渋親父率高いので、加齢臭漂ってます
英雄の条件~第5話
○英雄(ヒーロー)の条件○
第5話

2人は少し距離をとって向かい合っていた。
「・・・さてと。えー、まず、どうしましょうか?」
ヒリヒリとClaudiaの敵意を肌で感じながら、Miaはいたって普通に訪ねた。
さすがにもう慣れてしまった。
向こうが自分を嫌うのならそれも結構。
こちらは一向に気にしないことにしよう。
「Miaさん、あなたが使える魔法を教えて下さらない?」
「あまり多くは使えません」
「Mysticism (神秘魔法)とAlteration (変成魔法)がかじった程度で、後はConjuration (召喚魔法) くらいしか使えないんですよ。
とりあえず、まともに使えるのはConjurationだけかなー」
Claudiaは眉間に皺を寄せ、腕を組んだまま佇んでいた。
「・・・酷いですわね・・・。あまりにも酷すぎて、言葉にならないわ・・・」
「こんなに能力の低いArch-Mageなど前例がありません。身の程知らずもいいとこです」
怒りを露にし身を震わせていたが、気を取り直しMiaに召喚魔法を試しに使ってみて欲しいとお願いした。
「じゃあ、よく使うやつを出すわね」
Miaが精神集中を始めた。
ぶつぶつと呪文を唱えながら片手を上げる。
「はい来た、どーーーーん!!」
叫ぶと同時に両手を前に突き出すと、光に包まれXivilaiが姿を現した。

「どうかな?」
黙って見ているClaudiaのごきげんを伺う。
彼女は特に驚いた様子も無く、普通にこの光景を眺めていた。
「一応、上位魔法は使えるようですね。しかし、これくらいの魔法なら使える者は大勢います。」
「他にないのですか?」
Xivilai程度では当たり前だそうだ。
Miaは内心”えー、うそー”と思いながら、他に力を誇示できるような凄い呪文はなかったかと探してみた。
「・・・もう、なさそうですね。」
中々次の呪文を唱えないので、ガッカリとした感情を露骨にしながら疲れたように声をかけた。
MiaはArch-Mageには相応しくない。
Claudiaの中でそれが決定付けられようとしていたその時、ようやく思い出したのかMiaが素っ頓狂な声を出した。
「ああ!あれがあるじゃんっ」
「ああ・・・でもなー・・・、うまくいくかな~・・・」
「なんですの?」

「いやー・・・、一つ凄いのを思い出したんだけど、ずっと使ってないからどうやって出すのか覚えてないのよねー・・・」
「いいから、やってみて御覧なさいな」
Miaがあーでもない、こーでもないと体を動かしながらぶつぶつ言っているのをイライラしながら見守っている。
暫くそんなことをやっていたが、突然本気モードで気合を入れ始めた。
「はい来た、どーーーーーん!!」

先程よりも長い時間精神集中していたMiaが呪文を放った。
彼女が突き出した腕の先にはおそらく今まで見たこともないようなモノがいる筈だった。
白い光に包まれた物体の姿が徐々に露になる。
そこには髪の毛の薄い平凡な中年男性がいた。

「・・・・」
二人は何が起こったのかわからず、暫く黙って中年男性を見ていた。
そして、中年男性も同じようにこちらを見ていた。



Miaはサっと視界から中年男性を外すと、えへへと照れ笑いを浮かべた。
「えっと、ごめん、もう一度いいかな?」
何事もなかったかのように、もう一度呪文を作りを始めた。
Claudiaも中年男性のことは見なかったことにして、改めてMiaの魔法力を確かめるため一挙一動を見逃さないよう集中した。
「はい来た、どーーーーーん!!!」
今度は失敗しなかった。
今まで見たことないような巨大な怪物がそこにいたからだ。

見るも恐ろしいその姿は、見た者を一瞬で恐怖で凍りつかせるくらい禍々しいものだった。

3M近くある体躯を見上げながら、Miaはホッとしながら胸を撫で下ろした。
「どうかな?」
Claudiaは度肝を抜かれていた。
まさかこんな魔物を召還できるとは、全くの予想外だった。
Arcane University内にも召還魔法を得意とする者はいるが、こんな怪物を出せる者はいない。
彼女は驚きのあまり口をあんぐりと開けたまま、ゆっくりとMiaへと視線を移した。
ぱくぱくと金魚のように口を動かした後、ようやく声を発した。
「・・・・お見事です・・・・」
Miaが嬉しそうに微笑んだ。
さすがのClaudiaも彼女の力を認めざるを得なくなったようだ。
「召還魔法に限ってならArch-Mageの名に恥じぬ力をお持ちのようですね。賞賛に値しますわ」
「どうもありがとう」
「あなたが重い腰を上げてくださったおかげでようやく昇進できましたし、これからも御自分の地位に誇りを持って、成すべきことをなさって下さい」
「あのー、認めてくれたのは嬉しいんですけど・・・」
Miaは少し言い辛そうに言葉を濁した。
「・・・実はもうRaminusに後任を探すよう頼んでいるんです」
Claudiaがえっ?と顔を上げた。
そして残念そうに表情を曇らせると、自分を責めているのか、多少申し訳なさそうに呟いた。
「・・・そうですか・・・、残念ですわ・・・」
「私には荷が重すぎたんですよ。本当に迷惑をかけてごめんなさい。後任にはもっとマシな人が就くといいですね」
「・・・そうですわね・・・」
何故かClaudiaが酷く残念そうにしているように見える。
それがMiaには予想外だった。
Claudia自身も想像以上にショックを受けている自分に戸惑っているようだった。
すがりつくような寂しそうな笑顔をMiaに向ける。
「・・・今日は大切なお時間を割いてまでお付き合い下さり感謝の念に堪えません。本当にありがとう」
「いえいえ、どうか気になさらずに」
「・・・・・」
Claudiaはチラっと自分達の後方に未だ佇んでいる中年男性を見やった。
Miaは全く気にしてないようだが、自分はさっきからずっと気になっていた。
無かったことにしていたが、もう耐えられない。
彼女は中年男性に気付かれぬようそっと指し示すと、Miaに訪ねた。
「・・・彼はどなたですの・・・?」
「彼?」

Miaには何も見えていないのか、キョロキョロと辺りを見回している。
必死に指で後方を指すClaudia。
ちなみに中年男性は召還されてからずっとこちらを見守り続けている。
「・・・・・・」
Miaは首を捻った。
「誰でしょうね?」
彼女にも男性の正体はわからないようだ。
その無神経な返事にClaudiaの我慢は限界に達した。
「わからないのですか!?あなたが召還したのですよ!?」
「うーん・・・、よくわからないな~・・・。何で出てきたんでしょうね?」
「まあ、いいじゃないですか。時間がきたら彼も元の世界に帰るでしょう。」
Miaはあまり気にもせずに、Anvilに戻ろうと身を翻した。
「私はこれから戦士ギルドへ立ち寄らなければならないので、これで失礼します」
「ああ、私も途中まで御一緒いたしますわ。魔術ギルドで調べなければならないことがあるので」
二人は歩き始めた。
そして、中年男性も一緒に歩き始めた。
二人は後方からついてくる彼の気配を背中でひしひしと感じながら歩き続けた。

どうしてついてくるんだろう?
二人は全く同じ事を考えていた。
数十分歩き続けても彼の気配は消えなかった。
召還魔法で現れた者達がこの世界で姿を維持できる時間は通常で数十秒、長くても数分だ。
なのに彼はすでに一時間近くこの世界に留まっている。
おかしい・・・これはおかしいぞ・・・
Miaがそう思い始めながら横を歩いているClaudiaを見た。
彼女と目が合う。
どうやら同じ事を考えていたようだ。
同時にきびすを返すと、

「どうして元の世界に戻らないの?」
「っていうか、誰?」
「あなたは一体何者なのですか?着いて来ないで下さらない?」
二人がほぼ同時に疑問を彼に投げ掛けた。
中年男性は無表情のままその問いに答えた。
いや、答えたというのとは少し違うかもしれない。

『ハハーン』
両手を広げ、ただ一言そう言った。

言い方が凄くアメリカンだったことだけは確かだ。
「え、外人さん!?」
Miaはその一言でひるんだ。
咄嗟に苦手意識が出たのだ。
そんな彼女をClaudiaがたしなめる。
「Miaさん、よく見て御覧なさい。彼の頭を・・・」
そう促されて中年男性の頭部を見つめた。
「角が生えてるでしょ?彼はDeadra(デイドラ)よ」
冷静に観察を続けていたClaudiaが確信を持ってそう呟いた。
”角”という言葉を受けて改めてMIaは目をよーくこらして頭部をしげしげと眺めた。
実は横にびよーんと跳ねた髪の毛だと思っていたのだ。
随分硬そうな髪の毛だな~・・・と思っていたのだが、全くの思い違いだったようだ(ちょっと恥ずかしい)。
「えっ!じゃ、じゃあ、私の呪文は失敗したわけじゃなかったんだ」
「こんなDeadraを今まで一度でも目にしたことがあって?残念ながら私は初見ですわ」
「私だってそうよ」
Miaが恐る恐るDeadraらしき中年男性に話しかけた。
「・・・あなたはDeadraなの?」
『オー、イエー』
肯定の返事をした、と思う。
MiaはClaudiaの反応を見てから自分の思ってることが正しいかどうか確かめようとした。
「どうやら本物のようですわね」
彼女はニヤリと口元を歪めた。
なんだかとても嬉しそうだ。
「これは面白いことになりましたわね。Miaさん、あなたはある意味天才ですわ。
瓢箪から駒とはまさにこのこと」

Miaにはどうして彼女が急に喜び勇んでいるのかわからなかった。
どうやら魔術への探究心に火をつけてしまったようだ。
心躍る様子がMiaにも手に取るようにわかるくらい、彼女は喜んでいた。

「彼を連れ帰っても宜しいかしら?Raminusに見せてあげたいのだけど」
「ええ、かまいませんよ。是非、そうして下さい」
ずっと元の世界に戻らずに自分の傍からくっついて離れないなんてことになったら、
おっさんになんて言えばいいのだろう。
同じように彼の家に居候させるなんてことになったら・・・。
そんな事を考えてしまい、Miaはちょっぴり寒気を覚えた。
おっさんに何を言われるかわかったもんじゃない。
なので彼女からの申し出は、喉から手が出るくらいありがたいものだった。
Miaは中年Deadraに命令を下した。
「Claudiaさんと行動を共にしてくれる?私の代わりに彼女が指示を出すから、それに従って頂戴」
『イエッサー』
Claudiaはほくほくした表情で満足そうにMiaに向き直った。
「お心遣い感謝致しますわ。・・・こうしてはおれません、早速戻ってRaminusに会わせなければ」
「それでは、ごきげんよう」
彼女はそそくさと呪文を唱えると中年Deadraと共にその場から姿を消した。

肩の重荷が一気に片付いたような気がして、Miaは晴れ晴れとした表情で天を仰いだ。
第5話

2人は少し距離をとって向かい合っていた。
「・・・さてと。えー、まず、どうしましょうか?」
ヒリヒリとClaudiaの敵意を肌で感じながら、Miaはいたって普通に訪ねた。
さすがにもう慣れてしまった。
向こうが自分を嫌うのならそれも結構。
こちらは一向に気にしないことにしよう。
「Miaさん、あなたが使える魔法を教えて下さらない?」
「あまり多くは使えません」
「Mysticism (神秘魔法)とAlteration (変成魔法)がかじった程度で、後はConjuration (召喚魔法) くらいしか使えないんですよ。
とりあえず、まともに使えるのはConjurationだけかなー」
Claudiaは眉間に皺を寄せ、腕を組んだまま佇んでいた。
「・・・酷いですわね・・・。あまりにも酷すぎて、言葉にならないわ・・・」
「こんなに能力の低いArch-Mageなど前例がありません。身の程知らずもいいとこです」
怒りを露にし身を震わせていたが、気を取り直しMiaに召喚魔法を試しに使ってみて欲しいとお願いした。
「じゃあ、よく使うやつを出すわね」
Miaが精神集中を始めた。
ぶつぶつと呪文を唱えながら片手を上げる。
「はい来た、どーーーーん!!」
叫ぶと同時に両手を前に突き出すと、光に包まれXivilaiが姿を現した。

「どうかな?」
黙って見ているClaudiaのごきげんを伺う。
彼女は特に驚いた様子も無く、普通にこの光景を眺めていた。
「一応、上位魔法は使えるようですね。しかし、これくらいの魔法なら使える者は大勢います。」
「他にないのですか?」
Xivilai程度では当たり前だそうだ。
Miaは内心”えー、うそー”と思いながら、他に力を誇示できるような凄い呪文はなかったかと探してみた。
「・・・もう、なさそうですね。」
中々次の呪文を唱えないので、ガッカリとした感情を露骨にしながら疲れたように声をかけた。
MiaはArch-Mageには相応しくない。
Claudiaの中でそれが決定付けられようとしていたその時、ようやく思い出したのかMiaが素っ頓狂な声を出した。
「ああ!あれがあるじゃんっ」
「ああ・・・でもなー・・・、うまくいくかな~・・・」
「なんですの?」

「いやー・・・、一つ凄いのを思い出したんだけど、ずっと使ってないからどうやって出すのか覚えてないのよねー・・・」
「いいから、やってみて御覧なさいな」
Miaがあーでもない、こーでもないと体を動かしながらぶつぶつ言っているのをイライラしながら見守っている。
暫くそんなことをやっていたが、突然本気モードで気合を入れ始めた。
「はい来た、どーーーーーん!!」

先程よりも長い時間精神集中していたMiaが呪文を放った。
彼女が突き出した腕の先にはおそらく今まで見たこともないようなモノがいる筈だった。
白い光に包まれた物体の姿が徐々に露になる。
そこには髪の毛の薄い平凡な中年男性がいた。

「・・・・」
二人は何が起こったのかわからず、暫く黙って中年男性を見ていた。
そして、中年男性も同じようにこちらを見ていた。



Miaはサっと視界から中年男性を外すと、えへへと照れ笑いを浮かべた。
「えっと、ごめん、もう一度いいかな?」
何事もなかったかのように、もう一度呪文を作りを始めた。
Claudiaも中年男性のことは見なかったことにして、改めてMiaの魔法力を確かめるため一挙一動を見逃さないよう集中した。
「はい来た、どーーーーーん!!!」
今度は失敗しなかった。
今まで見たことないような巨大な怪物がそこにいたからだ。

見るも恐ろしいその姿は、見た者を一瞬で恐怖で凍りつかせるくらい禍々しいものだった。

3M近くある体躯を見上げながら、Miaはホッとしながら胸を撫で下ろした。
「どうかな?」
Claudiaは度肝を抜かれていた。
まさかこんな魔物を召還できるとは、全くの予想外だった。
Arcane University内にも召還魔法を得意とする者はいるが、こんな怪物を出せる者はいない。
彼女は驚きのあまり口をあんぐりと開けたまま、ゆっくりとMiaへと視線を移した。
ぱくぱくと金魚のように口を動かした後、ようやく声を発した。
「・・・・お見事です・・・・」
Miaが嬉しそうに微笑んだ。
さすがのClaudiaも彼女の力を認めざるを得なくなったようだ。
「召還魔法に限ってならArch-Mageの名に恥じぬ力をお持ちのようですね。賞賛に値しますわ」
「どうもありがとう」
「あなたが重い腰を上げてくださったおかげでようやく昇進できましたし、これからも御自分の地位に誇りを持って、成すべきことをなさって下さい」
「あのー、認めてくれたのは嬉しいんですけど・・・」
Miaは少し言い辛そうに言葉を濁した。
「・・・実はもうRaminusに後任を探すよう頼んでいるんです」
Claudiaがえっ?と顔を上げた。
そして残念そうに表情を曇らせると、自分を責めているのか、多少申し訳なさそうに呟いた。
「・・・そうですか・・・、残念ですわ・・・」
「私には荷が重すぎたんですよ。本当に迷惑をかけてごめんなさい。後任にはもっとマシな人が就くといいですね」
「・・・そうですわね・・・」
何故かClaudiaが酷く残念そうにしているように見える。
それがMiaには予想外だった。
Claudia自身も想像以上にショックを受けている自分に戸惑っているようだった。
すがりつくような寂しそうな笑顔をMiaに向ける。
「・・・今日は大切なお時間を割いてまでお付き合い下さり感謝の念に堪えません。本当にありがとう」
「いえいえ、どうか気になさらずに」
「・・・・・」
Claudiaはチラっと自分達の後方に未だ佇んでいる中年男性を見やった。
Miaは全く気にしてないようだが、自分はさっきからずっと気になっていた。
無かったことにしていたが、もう耐えられない。
彼女は中年男性に気付かれぬようそっと指し示すと、Miaに訪ねた。
「・・・彼はどなたですの・・・?」
「彼?」

Miaには何も見えていないのか、キョロキョロと辺りを見回している。
必死に指で後方を指すClaudia。
ちなみに中年男性は召還されてからずっとこちらを見守り続けている。
「・・・・・・」
Miaは首を捻った。
「誰でしょうね?」
彼女にも男性の正体はわからないようだ。
その無神経な返事にClaudiaの我慢は限界に達した。
「わからないのですか!?あなたが召還したのですよ!?」
「うーん・・・、よくわからないな~・・・。何で出てきたんでしょうね?」
「まあ、いいじゃないですか。時間がきたら彼も元の世界に帰るでしょう。」
Miaはあまり気にもせずに、Anvilに戻ろうと身を翻した。
「私はこれから戦士ギルドへ立ち寄らなければならないので、これで失礼します」
「ああ、私も途中まで御一緒いたしますわ。魔術ギルドで調べなければならないことがあるので」
二人は歩き始めた。
そして、中年男性も一緒に歩き始めた。
二人は後方からついてくる彼の気配を背中でひしひしと感じながら歩き続けた。

どうしてついてくるんだろう?
二人は全く同じ事を考えていた。
数十分歩き続けても彼の気配は消えなかった。
召還魔法で現れた者達がこの世界で姿を維持できる時間は通常で数十秒、長くても数分だ。
なのに彼はすでに一時間近くこの世界に留まっている。
おかしい・・・これはおかしいぞ・・・
Miaがそう思い始めながら横を歩いているClaudiaを見た。
彼女と目が合う。
どうやら同じ事を考えていたようだ。
同時にきびすを返すと、

「どうして元の世界に戻らないの?」
「っていうか、誰?」
「あなたは一体何者なのですか?着いて来ないで下さらない?」
二人がほぼ同時に疑問を彼に投げ掛けた。
中年男性は無表情のままその問いに答えた。
いや、答えたというのとは少し違うかもしれない。

『ハハーン』
両手を広げ、ただ一言そう言った。

言い方が凄くアメリカンだったことだけは確かだ。
「え、外人さん!?」
Miaはその一言でひるんだ。
咄嗟に苦手意識が出たのだ。
そんな彼女をClaudiaがたしなめる。
「Miaさん、よく見て御覧なさい。彼の頭を・・・」
そう促されて中年男性の頭部を見つめた。
「角が生えてるでしょ?彼はDeadra(デイドラ)よ」
冷静に観察を続けていたClaudiaが確信を持ってそう呟いた。
”角”という言葉を受けて改めてMIaは目をよーくこらして頭部をしげしげと眺めた。
実は横にびよーんと跳ねた髪の毛だと思っていたのだ。
随分硬そうな髪の毛だな~・・・と思っていたのだが、全くの思い違いだったようだ(ちょっと恥ずかしい)。
「えっ!じゃ、じゃあ、私の呪文は失敗したわけじゃなかったんだ」
「こんなDeadraを今まで一度でも目にしたことがあって?残念ながら私は初見ですわ」
「私だってそうよ」
Miaが恐る恐るDeadraらしき中年男性に話しかけた。
「・・・あなたはDeadraなの?」
『オー、イエー』
肯定の返事をした、と思う。
MiaはClaudiaの反応を見てから自分の思ってることが正しいかどうか確かめようとした。
「どうやら本物のようですわね」
彼女はニヤリと口元を歪めた。
なんだかとても嬉しそうだ。
「これは面白いことになりましたわね。Miaさん、あなたはある意味天才ですわ。
瓢箪から駒とはまさにこのこと」

Miaにはどうして彼女が急に喜び勇んでいるのかわからなかった。
どうやら魔術への探究心に火をつけてしまったようだ。
心躍る様子がMiaにも手に取るようにわかるくらい、彼女は喜んでいた。

「彼を連れ帰っても宜しいかしら?Raminusに見せてあげたいのだけど」
「ええ、かまいませんよ。是非、そうして下さい」
ずっと元の世界に戻らずに自分の傍からくっついて離れないなんてことになったら、
おっさんになんて言えばいいのだろう。
同じように彼の家に居候させるなんてことになったら・・・。
そんな事を考えてしまい、Miaはちょっぴり寒気を覚えた。
おっさんに何を言われるかわかったもんじゃない。
なので彼女からの申し出は、喉から手が出るくらいありがたいものだった。
Miaは中年Deadraに命令を下した。
「Claudiaさんと行動を共にしてくれる?私の代わりに彼女が指示を出すから、それに従って頂戴」
『イエッサー』
Claudiaはほくほくした表情で満足そうにMiaに向き直った。
「お心遣い感謝致しますわ。・・・こうしてはおれません、早速戻ってRaminusに会わせなければ」
「それでは、ごきげんよう」
彼女はそそくさと呪文を唱えると中年Deadraと共にその場から姿を消した。

肩の重荷が一気に片付いたような気がして、Miaは晴れ晴れとした表情で天を仰いだ。
--------------------------------
なんか変なのが出てきましたが・・・、それだけMiaは魔法が苦手だということなんですよ(笑)
中年Deadraのキャラ設定は大好きなCITY BOYSの”ははーんさん(斉木しげる)”からきております。
ははーんさんとか、ラジカセマンとか、エスプレッソ王子とか大好き。
昔の斉木さんはめっちゃ格好良かったけど、今は何倍にも大きくなられたので、真っ白になられた大竹さんの方が今は好きだったりします。
ちなみにきたろうさんは私の旦那さんにそっくりです(笑)
あと、「Tengkiring Bundug UnderGround」に売ってるスペルでゲートキーパーを召還しています。
バニラの様々な小物や洋服が集められたお店なので、とっても重宝しています。
感謝でございます!
なんか変なのが出てきましたが・・・、それだけMiaは魔法が苦手だということなんですよ(笑)
中年Deadraのキャラ設定は大好きなCITY BOYSの”ははーんさん(斉木しげる)”からきております。
ははーんさんとか、ラジカセマンとか、エスプレッソ王子とか大好き。
昔の斉木さんはめっちゃ格好良かったけど、今は何倍にも大きくなられたので、真っ白になられた大竹さんの方が今は好きだったりします。
ちなみにきたろうさんは私の旦那さんにそっくりです(笑)
あと、「Tengkiring Bundug UnderGround」に売ってるスペルでゲートキーパーを召還しています。
バニラの様々な小物や洋服が集められたお店なので、とっても重宝しています。
感謝でございます!