ゆるゆるOblivion

Oblivion妄想RP日記です。渋親父率高いので、加齢臭漂ってます

英雄の条件~第9話

○英雄(ヒーロー)の条件○

第9話






「Miaさん、恩に着るよ」

Morvayn's Peacemakersの主人Varel Morvaynは彼女が持ち込んだ品物を見定めながらそう告げた。

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「うん?」

「Richardのことだよ。あいつ気持ちだけ先走りして、行動がついてこないタイプでね。
あとひと月様子を見て駄目なようなら、やめて貰おうと思ってたんだ」

「えっ、そうなの?」

Miaは驚いた風に声を上げた。

「おそらくあいつは見た目通りのお坊ちゃんなんだろうさ。
甘ったれた性格はそう簡単には直らないよな。
すぐ思い上がるくせに、ちょっとしたことで地獄の底まで落ち込むのはしょっちゅうさ。
そんなんじゃ体がもたないだろ?」

「そうね・・・」

彼女は思い悩んでいた。
自分のしたことは果たして正しかったのか、逆に迷惑だったのではないかと。
ためらいがちに彼女は親父さんに尋ねてみた。


「・・・私、余計なことしてないかしら?」


師弟関係の間に無理矢理入り込んでしまったのだ。
余計な事をして物事を捩れさせてやしないかと、そればかりが気掛かりだった。
なによりも親父さんの存在や思惑を蔑ろにしてないかと心配で仕方なかった。

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「してないさ。最初に言ったじゃない、恩に着るってさ」
「Miaさんのおかげで大分メンタル的に強くなったようで、いや、本当に見違えるほどに強くなったんだよ。
一体どれだけしごいたんだい?」

半笑いの親父さんは半ば茶化すような口調だった。
彼女はちょっと困ったように片眉を上げながら苦笑している。

「ちょっとキツイ事言い過ぎちゃったかもね」

「でも、そのおかげであいつは自立したんだ。あなたが思い悩むことは何もないよ」
「これからもあいつのこと、宜しく頼みますね」


親父さんはRichardのことを我が子同然のように思っているのか、その表情はとても優しく、眼差しは温かかった。
Miaはコクリと頷くと、キョロキョロと辺りを見回した。
いつもならその辺で雑用をこなしている渦中の彼の姿がない。

「あれ?今日はいないの?」

「ああ、今日は非番だよ。出掛ける用事があるらしい」


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などと話していると、階段を降りてくる足音が聞こえRichardがやってきた。
身支度を終え今まさに出掛けようとしている所だった。

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「あれ?Miaさん?」

意外そうな顔をしながらもその声はとても嬉しそうで、彼女を目に留めた瞬間瞳がキラキラと輝き始めた。

「丁度良かった!実は今日、お宅に伺おうと思っていたんですよ」

「え、うちに?」

「なんだい、出掛ける用事って、Miaさんちを訪ねるってことだったのか」


Richardは少し照れながらMiaと2人きりで話が出来ないかと申し出た。
もちろん彼女は快諾した。


「Richard、Miaさんの手を煩わすような真似するんじゃないぞ」

親父さんがニヤニヤしながら釘を刺した。

「わかってます」

「あっ、戦利品、あとで精算してくれる?」

「わかりました。いつまでもお待ちしてますよ」

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MiaはRichardに店内から押し出されるように外へと連れ出された。
これ以上親父さんに余計な事を言われたくなかったので、彼は逃げるように立ち去るしかなかったのだ。

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2人は店の前にある大きな木の根元にあるベンチに腰掛けていた。
ぽかぽかとした陽気の気持ち良い午後だ。

「実は、Miaさんにお礼を言いたくて、今日伺おうと思っていたんです」

「うちっていうか、おっさんちだけど・・・、家の場所知ってたんだ」

「chevさんに教えて貰いました」


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彼は立ち上がるとMiaの正面に立った。
とても真剣な顔をしている。
珍しく視線を合わせてきたので、彼女は身を硬くしながら慣れない様子でかしこまると彼を見上げた。

「・・・僕のような未熟者を雇って下さって本当にありがとうございました。
あなたの意に叶った物を作成するには恥ずかしい程の腕前ですが、叱咤激励のおかげでなんとか乗り越える事が出来ました。
正直、とてもキツかったのですが・・・、やり切れて良かったと、今では思っています。


それで、あの・・・」


彼は腰から下げていた剣を外すと、大事そうに彼女の前に差し出した。


「これをあなたに差し上げたくて・・・」


彼女は促されるままに剣を手に取ると、鞘から刀身を抜いてみた。

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シンプルだが美しい形をした剣だった。
常に濡れているような刃の光具合がさらに美しさを際立たせており、彼女は目を奪われた。

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刃こぼれ一つ無い、焼きあがった直後のようなそれはあまりにも見事な出来栄えだった。


「僕のお守りとして、目標として大事にしていた剣なんですが、あなたに使っていただきたいのです・・・」

「こっ、こんな素晴らしい剣、貰うわけにはいかないわ」

武器に関しては多少見る目があると自負しているので、この剣がどれだけ凄い物かは直感的にわかった。
おそらく何かしらの魔法も付与されているはずだ。
彼女はこの剣を彼につき返そうとしたが、彼は頑として受け取らなかった。


「・・・この剣は由緒正しき伝説の剣と謳われているものです。縁あって僕の手元にあるのですが、
いつかこれを越えるような剣を作りたくて、今までずっと大事に保管していました。
しかし、ふと思ったのです。
ただ眺められているだけでこの剣は幸せなのだろうか?って・・・」

彼はMiaが持っている剣をせつなそうに見ていた。

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「剣の使い道は色々ありますが、少なくともこの剣は観賞用ではありません。
なら、本来あるべき姿に戻してあげるのがこれのためになるのではないかと思い、
Sir.Knightとして誉れ高いあなたに使われるならば、この剣も本望だと思うのです。」

Richardは彼女に敬意の念を抱いており、名声と腕前にも心酔しているようだった。
彼女にとってそれは嬉しくもあり、また少し迷惑でもあった。
自分の名声が一人歩きしている証拠だからだ。

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「・・・高くかってくれてるのはありがたいけど、私はあなたが思っているような人間じゃないのよ?」

「それはあなた自身が決めることではありません。世間が決めることです。
そしてその世間はあなたを英雄として認めています。
ならばやはりこの剣は、あなたにこそ相応しい」

彼の言葉には力が込められていた。
武器としてではなく、ただの飾り物として据えて置くことが彼には耐えられないのだ。
彼は人間に寄せる感情と同等のものをこの剣に抱いていた。
そして、自分自身の姿を投影してもいるのだ。

だからなおさらこの剣をMiaに使ってもらいたかった。


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あまりにもしつこく彼が食い下がるのでMiaは断れ切れなくなってしまった。
そんなに言うならと、恐縮しつつも受け取ることにした。

「・・・どうもありがとう。こんな素晴らしい剣をいただけるなんて信じられないわ。
大事に使わせてもらうわね」

「その剣があればいかなる窮地からもあなたを救ってくれるはずです。
それだけ頼りになる存在だと、僕は信じています。」

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彼は満足そうにそう言いながら爽やかな微笑を浮かべた。
心から嬉しそうに笑う彼はあまりにも可愛く、眩しかった。
エルフってやっぱり人間と違うんだな~・・・と、その内側から滲み出る美しさに少しの時間だけMiaは心を奪われてしまった。


-つづく-



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カウンターの上に置いてあった変なアイテム達は「Shezries Towns」の博物館で売ってるお土産です。
仁王立ちの熊ちゃんの置物可愛いですよね*^^*

Anvilの自宅には沢山コンパニオンを住まわせてます。
外での撮影中に通り過ぎたり、遠くに映り込んだりと、結構邪魔だったので困りました^^;
ドラマ撮影中によくあるスタッフによる人員整理は必要不可欠だなと思いました(笑)


さあ、後2回で終わりです。
頑張りマッスル!


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