ゆるゆるOblivion
Oblivion妄想RP日記です。渋親父率高いので、加齢臭漂ってます
英雄の条件~第10話
○英雄(ヒーロー)の条件○
第10話
「ただいまー」
Miaが自宅へ戻ると、三階の部屋には自分と同じく今帰ってきたばかりのおっさんが帽子をソファに投げ置いている所だった。
自分もまずは着替えようと思い、机の前を通り過ぎカーテン先にある自室へと向かった。

「おかえり」
おっさんは彼女の方を一瞥した後一旦目を逸らしたが、二度見するようにすぐさま見直した。

見慣れない剣を腰に差していることに気がついたからだ。
しかもその剣がまた、自分が知っている物と同じような姿をしているような気がしたのだ。
「Mia、その剣はどうした」
「ああ、お礼にって貰ったのよ」
彼女は自室へ戻る足を止め、おっさんに足先を変えると、見せびらかすように腰元の剣をちらつかせた。
「凄い剣でしょ。試し切りはまだだけど、どんな物でも切れそうな鋭さがあるわよ」
「いい剣だな。じっくり見せてもらえるか?」
彼女は了承すると剣を彼に渡した。

早速抜き身の角度を変えながら反り具合や鋼の厚さを調べている。
鞘の装飾にも目を留め、食い入るように黙ったまま暫く眺めていた。


「美しい剣だと思わない?刀身の艶かしい光具合がなんともいえないわ。」
Miaはこの剣をかなり気に入っていた。
内に秘められた力を手にした時から感じており、攻撃力は自分が所持している武器の中では断トツだろうと睨んでいた。
「誰に貰ったんだ?」
「Anvilの武器屋で修行中のRichardっていう綺麗なエルフの男性からよ。
修理の仕事を頼んでたんだけど、なんかエラく感謝されちゃって・・・。
由緒正しい伝説の剣らしいけど、観賞用として置いておくのは可哀想とかなんとかで、私に使って欲しいってくれたのよ。」
「こんな凄い剣を君に無償でくれたのか」
「ね、私も驚いちゃった。遠慮したんだけど、どうしてもって聞かないの」
「Anvilの武器屋というと入り口付近にあるMorvayn's Peacemakersか」
彼は刀身を鞘に収めると、ソファの上に乗っている帽子を掴み取り被り直した。

「この剣、少し借りてもいいか?」
「いいけど・・・、どうしたの?」
不思議そうにおっさんを見つめている。
帽子を被ったということは、また出掛けるということだろう。

「私の知り合いがこの剣と似たような物を持っていた。
先祖代々伝わる一族の誇りともいえる大切な剣だとね。
珍しい剣だから、同じ物が二本あるとは思えんが・・・。
そのエルフに会って確かめたいんだ。もしかしたら、ということもあるからな。」
「ふーん、それはちょっと気になるわよね。・・・私も一緒に行こうか?」
「いや、いい」
彼はそう言うが早いか部屋を出て行ってしまった。
「って、早っ」
あまりにも素早い行動に彼女はあっけにとられた。
それだけ彼にはこの剣に思い当たるフシがあるのだろう。

Richardがおっさんのキツイ言葉によって落ち込んでいる姿がふと脳裏をよぎった。
ちょっと心配に思ったが、初対面の人間相手に失礼な態度を取るようなおっさんではないので取り越し苦労だろうと思うことにした。
-つづく-
第10話
「ただいまー」
Miaが自宅へ戻ると、三階の部屋には自分と同じく今帰ってきたばかりのおっさんが帽子をソファに投げ置いている所だった。
自分もまずは着替えようと思い、机の前を通り過ぎカーテン先にある自室へと向かった。

「おかえり」
おっさんは彼女の方を一瞥した後一旦目を逸らしたが、二度見するようにすぐさま見直した。

見慣れない剣を腰に差していることに気がついたからだ。
しかもその剣がまた、自分が知っている物と同じような姿をしているような気がしたのだ。
「Mia、その剣はどうした」
「ああ、お礼にって貰ったのよ」
彼女は自室へ戻る足を止め、おっさんに足先を変えると、見せびらかすように腰元の剣をちらつかせた。
「凄い剣でしょ。試し切りはまだだけど、どんな物でも切れそうな鋭さがあるわよ」
「いい剣だな。じっくり見せてもらえるか?」
彼女は了承すると剣を彼に渡した。

早速抜き身の角度を変えながら反り具合や鋼の厚さを調べている。
鞘の装飾にも目を留め、食い入るように黙ったまま暫く眺めていた。


「美しい剣だと思わない?刀身の艶かしい光具合がなんともいえないわ。」
Miaはこの剣をかなり気に入っていた。
内に秘められた力を手にした時から感じており、攻撃力は自分が所持している武器の中では断トツだろうと睨んでいた。
「誰に貰ったんだ?」
「Anvilの武器屋で修行中のRichardっていう綺麗なエルフの男性からよ。
修理の仕事を頼んでたんだけど、なんかエラく感謝されちゃって・・・。
由緒正しい伝説の剣らしいけど、観賞用として置いておくのは可哀想とかなんとかで、私に使って欲しいってくれたのよ。」
「こんな凄い剣を君に無償でくれたのか」
「ね、私も驚いちゃった。遠慮したんだけど、どうしてもって聞かないの」
「Anvilの武器屋というと入り口付近にあるMorvayn's Peacemakersか」
彼は刀身を鞘に収めると、ソファの上に乗っている帽子を掴み取り被り直した。

「この剣、少し借りてもいいか?」
「いいけど・・・、どうしたの?」
不思議そうにおっさんを見つめている。
帽子を被ったということは、また出掛けるということだろう。

「私の知り合いがこの剣と似たような物を持っていた。
先祖代々伝わる一族の誇りともいえる大切な剣だとね。
珍しい剣だから、同じ物が二本あるとは思えんが・・・。
そのエルフに会って確かめたいんだ。もしかしたら、ということもあるからな。」
「ふーん、それはちょっと気になるわよね。・・・私も一緒に行こうか?」
「いや、いい」
彼はそう言うが早いか部屋を出て行ってしまった。
「って、早っ」
あまりにも素早い行動に彼女はあっけにとられた。
それだけ彼にはこの剣に思い当たるフシがあるのだろう。

Richardがおっさんのキツイ言葉によって落ち込んでいる姿がふと脳裏をよぎった。
ちょっと心配に思ったが、初対面の人間相手に失礼な態度を取るようなおっさんではないので取り越し苦労だろうと思うことにした。
-つづく-
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