ゆるゆるOblivion
Oblivion妄想RP日記です。渋親父率高いので、加齢臭漂ってます
薔薇色の人生 第4話
クリスマス特別企画
『薔薇色の人生 ~La Vie en Rose~』
○第4話○
「来たわね、待ってたのよ」
開店前の店内に帽子を被った黒い人影が現れると、彼女はあらかじめ用意しておいた席へと彼をいざなった。
テーブルにはすでに茶色い液体の注がれたグラスが置かれている。

「どう?Miaは喜んでいたかしら?」
おっさんが開口一番に文句を言う前に、マリア・エレーナが口火を切った。
彼女はいつものように涼しげな笑みを口元に浮かべている。

「・・・君は一体何を考えてるんだ?Miaにあんなものをあげるなんて」
「あら、お気に召さなかったの?おかしいわね・・・」
「どういうつもりだ?なにか魂胆があるのか?」
少し怒気がこもった声で彼は言い放った。
マリア・エレーナの瞳に冷たい光が宿る。
「あなたがサッサと手を出さないからいけないのよ。彼女の気持ちをわかってるくせに、どうして大人のあなたがリードしてあげないの?」
「紳士的なのは口だけなのね。見損なったわ」

彼女はMiaが口には出さないがおっさんに好意を寄せていることに感づいていた。
おっさんの方でも彼女に恋愛感情を抱いているのは見え見えだ。
そして、Miaが自分に好意を寄せていることに気付いているのに、知らない振りをしているおっさんがマリア・エレーナは非常に気に入らなかった。
2人の関係が中々進展しないのは彼のせい。
だからマリア・エレーナはMiaのために手を出したのだ。
「真に紳士的な人間なら、自分の娘より年下の女性に手出しなどせん」
「世の高い地位に座る殿方達は、皆こぞって自分より一回り以上も年下の女性を妻に娶るのよ。」
「あなたは自分の中に酷くズレた固定観念をお持ちのようね。頑固で、意地っ張り・・・全く、大人気ないわ・・・」
「ああ、そうだ、私はまだまだケツの青いガキなのさ。ほっといてくれ。」
「いいえ、ダメよ。Miaには幸せになってもらうんだから」
イライラしていたおっさんは手元にあったグラスの中身を一気に飲み干すと、近くの椅子へ腰を降ろした。
それで少し落ち着いたのか、声のトーンを落とすと、しみじみと言葉を発した。

「・・・・私とでは、幸せになれんだろう・・・・」
ポロリと思わず本音を漏らしてしまった。
おっさんがしまったと気付いた時にはもう遅かった。
「なんでもあなたが決められるものだとでも思ってるの?自惚れるのもいい加減にして頂戴。
幸せは本人が感じるものなのよ。あなたが口出しできることじゃない」
「・・・・・」
おっさんはいつになく真剣な顔つきの彼女を暫くしげしげと眺めていた。
彼女の瞳に微かに浮かんでいるのは、自分に対する恨みなのかもしれない。
「・・・・君は正論を言うくせに、どうしてそれを実行できないのかね・・・?」
「・・・自分のことよりも、相手のことを思いやり過ぎるからよ・・・・」
2人は示し合わせたように同時に押し黙ってしまった。
マリア・エレーナの言葉はおっさんの心をいつも強く揺さぶる。
ある意味似たもの同士だとも思う。
彼女が今口にした言葉は現在の自分にも当てはまる的確な表現だった。
「・・・まぁ、私のことは放っておいてくれないか・・・?
Miaを心配するのはわかるが、だからといって、はいそうですかと簡単にはいかんのだよ」
「本当にあなたは頑固よね」
「わかってる」
彼女はカラになっているグラスにブランデーを注いであげた。

「・・・それで、あの服は彼女に似合っていたかしら?普段着ない可愛らしい女の子っぽい服が欲しいといっていたからあれにしたんだけど」
「だからって、あれはないだろ」
「あら、間近で拝めて本当は嬉しかったんでしょ?」
からかうように語気に笑いが含まれている。
彼女はとても楽しそうだ。
「馬鹿を言うんじゃない。そんな趣味はないぞ」
それをあからさまに嫌な顔をして否定した。
マリア・エレーナは何食わぬ様子でさらに話を続けた。
「メイドよりもシスターの方がお気に召したかしら?」
「・・・・・」
ギロリとおっさんが睨みつけてきた。
それでも相変わらず涼しげなマリア・エレーナの表情がやけに癇に障る。

「一度でもそんな格好を君にさせたことがあったか?私に変なイメージをつけようとしてるだろ。
迷惑も甚だしい」
「倦怠期を迎えた夫婦やアベックがそういう格好をして刺激を加えるのはわかるが、私達は夫婦でもなければ付き合ってさえもいないんだ。
全く必要のないものを、変な意味を込めて押し付けられるのは我慢ならん」
「Azazel、今はアベックじゃなくて、カップルっていうのが一般的よ」
「・・・そんなのどっちだっていい。とにかく、余計なことはするんじゃない。」
「はいはい、わかったわ。そんなに力まなくてもいいじゃない。ちょっとしたお遊びなのに・・・」
彼女は仕方なさそうにしながら深く息をついた。
Miaのことでおっさんなりに頭を悩ませているようなので、ここらで許してあげることにした。

「・・・・・」
「まあ、Miaの恥ずかしがる姿は初めて見たからな・・・。その点では、良かった・・・・かな?」
「なによそれ。満喫してるじゃないの」
「彼女は部屋着にすると言っていたよ。」
「あら、嬉しいわね。気に入ってもらえて良かったわ」

マリア・エレーナは嬉しそうに微笑んだ。
彼女は基本的に相手を喜ばせたりすることが好きなので、かなりの朗報だった。
これだから他人に尽くすことをやめられないのだ。
「・・・だがな、サンタクロースの正体はバレてしまったよ。彼女の夢を壊してしまったかもしれん」
おっさんは眉尻を下げつつ、申し訳なさそうにしている。
マリア・エレーナにはサンタの夢を壊すなとあれ程念を押されていたのに、それを成し得る事が出来なかった。
Miaのサンタへの思いも裏切ってしまったかもしれない。
それだけが心残りだった。
「でも、彼女は喜んでいたんでしょ?」
「ああ」
「ならいいじゃない。問題ないわ」
咎めようとしないマリア・エレーナを不審に思ったのか、おっさんが怪訝そうに彼女を見つめた。
彼女は妖艶な笑みを浮かべながら言葉を続ける。
「Azazel・・・・、あなた、本気でバレないと思っていたの?」
彼女にしてやられたと、おっさんはたった今気付いた。
バレるのは彼女の策の内だったのだ。
まるで掌の上で転がされてるような気がして途端に自分が情けなくなってしまった。
「・・・・くそっ、そういうことか・・・・」
悔しそうに顔を歪めるおっさんを楽しそうに眺めているマリア・エレーナ。
彼のこういった反応は、彼女の大好物なのだ。
「Miaにとってのサンタさんはあなたなのよ?」
おっさんは観念したようにため息をついた。
今回はまんまと乗せられたが、言うほど悪い気はしない。
「そうか・・・。なら、そういうことにしておこう」

彼はマリア・エレーナがどんなにMiaの事を大切に思っているのか、今回のことでよくわかったような気がした。
本気で親身になって考えてくれているようだ。
おっさんにとってもそれは他人事とは思えず、自分が大切に思っている人のことを同じように大切にしてくれていることが心から嬉しかった。
彼は普段より幾分か優しげな声で、
「・・・Miaがいつも世話になっててすまないな。今回のことも、色々あったが・・・君のおかげで彼女を喜ばせることができた。」
「ありがとう」
と、素直な自分の気持ちを述べた。
彼女は気にしないでといった風に笑みを浮かべた。

おっさんはそれだけ言うと、店を後にした。
「・・・・あら?」

彼がいなくなった席には小さな包みが置いてあった。


忘れ物かしらと思いつつ手にとってみる。
綺麗に包装された箱にはリボンが括りつけられており、そこにメッセージカードが挟まれていた。
”メリー・クリスマス”
と、書かれている。
彼女はまさかと思い中身を開けて見ると、シンプルだが飽きの来ないデザインの髪飾りが入っていた。
マリア・エレーナは彼が出て行ったばかりの扉を見つめると、あきれたように口元を歪めた。
(・・・・喰えない男・・・・)ふふっ
彼女は銀細工の髪飾りを手に取ると、嬉しそうにそれを髪に差した。
---------------------------------
翌年のクリスマス。
Miaは今年もまたマリア・エレーナからプレゼントを貰っていた。
早速開けてみると、中には去年と同じように服が入っており、昨年に比べてかなり質素な生地のものだった。
一見、普通の服に見える。
自分の部屋でその服に着替えたMiaが出てくると、おっさんは口を半開きにしたまま石の彫像のように固まっていた。


「・・・・どうしてマリア・エレーナはこんな変わった服ばかりくれるのかしら・・・・」
彼女はシスターの衣装に身を包んでいた。

(・・・・あの女・・・・・)
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
おっさんは何か手近な物に八つ当たりしたい衝動に駆られていた。
Miaが不思議そうに自分の着ている服を眺めながら、
「これって、聖職者の服よね?私は神様って信じてないんだけどな~・・・」
と呟いた。
そしてその後、ハっと何かに気がついたのか、おっさんと視線をかち合わせた。
「・・・・彼女の意向は気にするな。」
おっさんは苦笑しながらMiaをなだめた。
「せっかくくれたのに、これもタンスの肥やしになっちゃうのか・・・・」
なんだかもったいなくて、酷く残念に思えた。
だからといっていつ着用するものなのかも謎だし、いや、なんとなくわかってはいるのだけれど、
当分出番はないと思った。
「ねえ、Azazel・・・・」
「なんだ」
「これ、部屋着にしてもいい?自分の部屋から外には出ないからさ」
おっさんは考えているようだ。
「・・・・好きにすればいい。その格好なら・・・、まぁ、その辺をうろつかれても大して問題はないだろう」
露出部分は顔だけなので、目のやり場に困る事はなかった。
なんとなく落ち着かない気もするが、昨年のメイド服を自分の部屋以外で着れないことを少し不憫に思っていたので、今回は寛大に見守ることにした。
と、思ったのだが・・・・




実際にうろつかれると落ち着けないことこの上なかった。
いちいち目で追ってしまう自分が情けなく思い、おっさんはMiaにやっぱり自分の部屋だけで着てくれと頼みこんだ。

-終わり-
『薔薇色の人生 ~La Vie en Rose~』
○第4話○
「来たわね、待ってたのよ」
開店前の店内に帽子を被った黒い人影が現れると、彼女はあらかじめ用意しておいた席へと彼をいざなった。
テーブルにはすでに茶色い液体の注がれたグラスが置かれている。

「どう?Miaは喜んでいたかしら?」
おっさんが開口一番に文句を言う前に、マリア・エレーナが口火を切った。
彼女はいつものように涼しげな笑みを口元に浮かべている。

「・・・君は一体何を考えてるんだ?Miaにあんなものをあげるなんて」
「あら、お気に召さなかったの?おかしいわね・・・」
「どういうつもりだ?なにか魂胆があるのか?」
少し怒気がこもった声で彼は言い放った。
マリア・エレーナの瞳に冷たい光が宿る。
「あなたがサッサと手を出さないからいけないのよ。彼女の気持ちをわかってるくせに、どうして大人のあなたがリードしてあげないの?」
「紳士的なのは口だけなのね。見損なったわ」

彼女はMiaが口には出さないがおっさんに好意を寄せていることに感づいていた。
おっさんの方でも彼女に恋愛感情を抱いているのは見え見えだ。
そして、Miaが自分に好意を寄せていることに気付いているのに、知らない振りをしているおっさんがマリア・エレーナは非常に気に入らなかった。
2人の関係が中々進展しないのは彼のせい。
だからマリア・エレーナはMiaのために手を出したのだ。
「真に紳士的な人間なら、自分の娘より年下の女性に手出しなどせん」
「世の高い地位に座る殿方達は、皆こぞって自分より一回り以上も年下の女性を妻に娶るのよ。」
「あなたは自分の中に酷くズレた固定観念をお持ちのようね。頑固で、意地っ張り・・・全く、大人気ないわ・・・」
「ああ、そうだ、私はまだまだケツの青いガキなのさ。ほっといてくれ。」
「いいえ、ダメよ。Miaには幸せになってもらうんだから」
イライラしていたおっさんは手元にあったグラスの中身を一気に飲み干すと、近くの椅子へ腰を降ろした。
それで少し落ち着いたのか、声のトーンを落とすと、しみじみと言葉を発した。

「・・・・私とでは、幸せになれんだろう・・・・」
ポロリと思わず本音を漏らしてしまった。
おっさんがしまったと気付いた時にはもう遅かった。
「なんでもあなたが決められるものだとでも思ってるの?自惚れるのもいい加減にして頂戴。
幸せは本人が感じるものなのよ。あなたが口出しできることじゃない」
「・・・・・」
おっさんはいつになく真剣な顔つきの彼女を暫くしげしげと眺めていた。
彼女の瞳に微かに浮かんでいるのは、自分に対する恨みなのかもしれない。
「・・・・君は正論を言うくせに、どうしてそれを実行できないのかね・・・?」
「・・・自分のことよりも、相手のことを思いやり過ぎるからよ・・・・」
2人は示し合わせたように同時に押し黙ってしまった。
マリア・エレーナの言葉はおっさんの心をいつも強く揺さぶる。
ある意味似たもの同士だとも思う。
彼女が今口にした言葉は現在の自分にも当てはまる的確な表現だった。
「・・・まぁ、私のことは放っておいてくれないか・・・?
Miaを心配するのはわかるが、だからといって、はいそうですかと簡単にはいかんのだよ」
「本当にあなたは頑固よね」
「わかってる」
彼女はカラになっているグラスにブランデーを注いであげた。

「・・・それで、あの服は彼女に似合っていたかしら?普段着ない可愛らしい女の子っぽい服が欲しいといっていたからあれにしたんだけど」
「だからって、あれはないだろ」
「あら、間近で拝めて本当は嬉しかったんでしょ?」
からかうように語気に笑いが含まれている。
彼女はとても楽しそうだ。
「馬鹿を言うんじゃない。そんな趣味はないぞ」
それをあからさまに嫌な顔をして否定した。
マリア・エレーナは何食わぬ様子でさらに話を続けた。
「メイドよりもシスターの方がお気に召したかしら?」
「・・・・・」
ギロリとおっさんが睨みつけてきた。
それでも相変わらず涼しげなマリア・エレーナの表情がやけに癇に障る。

「一度でもそんな格好を君にさせたことがあったか?私に変なイメージをつけようとしてるだろ。
迷惑も甚だしい」
「倦怠期を迎えた夫婦やアベックがそういう格好をして刺激を加えるのはわかるが、私達は夫婦でもなければ付き合ってさえもいないんだ。
全く必要のないものを、変な意味を込めて押し付けられるのは我慢ならん」
「Azazel、今はアベックじゃなくて、カップルっていうのが一般的よ」
「・・・そんなのどっちだっていい。とにかく、余計なことはするんじゃない。」
「はいはい、わかったわ。そんなに力まなくてもいいじゃない。ちょっとしたお遊びなのに・・・」
彼女は仕方なさそうにしながら深く息をついた。
Miaのことでおっさんなりに頭を悩ませているようなので、ここらで許してあげることにした。

「・・・・・」
「まあ、Miaの恥ずかしがる姿は初めて見たからな・・・。その点では、良かった・・・・かな?」
「なによそれ。満喫してるじゃないの」
「彼女は部屋着にすると言っていたよ。」
「あら、嬉しいわね。気に入ってもらえて良かったわ」

マリア・エレーナは嬉しそうに微笑んだ。
彼女は基本的に相手を喜ばせたりすることが好きなので、かなりの朗報だった。
これだから他人に尽くすことをやめられないのだ。
「・・・だがな、サンタクロースの正体はバレてしまったよ。彼女の夢を壊してしまったかもしれん」
おっさんは眉尻を下げつつ、申し訳なさそうにしている。
マリア・エレーナにはサンタの夢を壊すなとあれ程念を押されていたのに、それを成し得る事が出来なかった。
Miaのサンタへの思いも裏切ってしまったかもしれない。
それだけが心残りだった。
「でも、彼女は喜んでいたんでしょ?」
「ああ」
「ならいいじゃない。問題ないわ」
咎めようとしないマリア・エレーナを不審に思ったのか、おっさんが怪訝そうに彼女を見つめた。
彼女は妖艶な笑みを浮かべながら言葉を続ける。
「Azazel・・・・、あなた、本気でバレないと思っていたの?」
彼女にしてやられたと、おっさんはたった今気付いた。
バレるのは彼女の策の内だったのだ。
まるで掌の上で転がされてるような気がして途端に自分が情けなくなってしまった。
「・・・・くそっ、そういうことか・・・・」
悔しそうに顔を歪めるおっさんを楽しそうに眺めているマリア・エレーナ。
彼のこういった反応は、彼女の大好物なのだ。
「Miaにとってのサンタさんはあなたなのよ?」
おっさんは観念したようにため息をついた。
今回はまんまと乗せられたが、言うほど悪い気はしない。
「そうか・・・。なら、そういうことにしておこう」

彼はマリア・エレーナがどんなにMiaの事を大切に思っているのか、今回のことでよくわかったような気がした。
本気で親身になって考えてくれているようだ。
おっさんにとってもそれは他人事とは思えず、自分が大切に思っている人のことを同じように大切にしてくれていることが心から嬉しかった。
彼は普段より幾分か優しげな声で、
「・・・Miaがいつも世話になっててすまないな。今回のことも、色々あったが・・・君のおかげで彼女を喜ばせることができた。」
「ありがとう」
と、素直な自分の気持ちを述べた。
彼女は気にしないでといった風に笑みを浮かべた。

おっさんはそれだけ言うと、店を後にした。
「・・・・あら?」

彼がいなくなった席には小さな包みが置いてあった。


忘れ物かしらと思いつつ手にとってみる。
綺麗に包装された箱にはリボンが括りつけられており、そこにメッセージカードが挟まれていた。
”メリー・クリスマス”
と、書かれている。
彼女はまさかと思い中身を開けて見ると、シンプルだが飽きの来ないデザインの髪飾りが入っていた。
マリア・エレーナは彼が出て行ったばかりの扉を見つめると、あきれたように口元を歪めた。
(・・・・喰えない男・・・・)ふふっ
彼女は銀細工の髪飾りを手に取ると、嬉しそうにそれを髪に差した。
---------------------------------
翌年のクリスマス。
Miaは今年もまたマリア・エレーナからプレゼントを貰っていた。
早速開けてみると、中には去年と同じように服が入っており、昨年に比べてかなり質素な生地のものだった。
一見、普通の服に見える。
自分の部屋でその服に着替えたMiaが出てくると、おっさんは口を半開きにしたまま石の彫像のように固まっていた。


「・・・・どうしてマリア・エレーナはこんな変わった服ばかりくれるのかしら・・・・」
彼女はシスターの衣装に身を包んでいた。

(・・・・あの女・・・・・)
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
おっさんは何か手近な物に八つ当たりしたい衝動に駆られていた。
Miaが不思議そうに自分の着ている服を眺めながら、
「これって、聖職者の服よね?私は神様って信じてないんだけどな~・・・」
と呟いた。
そしてその後、ハっと何かに気がついたのか、おっさんと視線をかち合わせた。
「・・・・彼女の意向は気にするな。」
おっさんは苦笑しながらMiaをなだめた。
「せっかくくれたのに、これもタンスの肥やしになっちゃうのか・・・・」
なんだかもったいなくて、酷く残念に思えた。
だからといっていつ着用するものなのかも謎だし、いや、なんとなくわかってはいるのだけれど、
当分出番はないと思った。
「ねえ、Azazel・・・・」
「なんだ」
「これ、部屋着にしてもいい?自分の部屋から外には出ないからさ」
おっさんは考えているようだ。
「・・・・好きにすればいい。その格好なら・・・、まぁ、その辺をうろつかれても大して問題はないだろう」
露出部分は顔だけなので、目のやり場に困る事はなかった。
なんとなく落ち着かない気もするが、昨年のメイド服を自分の部屋以外で着れないことを少し不憫に思っていたので、今回は寛大に見守ることにした。
と、思ったのだが・・・・




実際にうろつかれると落ち着けないことこの上なかった。
いちいち目で追ってしまう自分が情けなく思い、おっさんはMiaにやっぱり自分の部屋だけで着てくれと頼みこんだ。

-終わり-
------------------------------------------
さあ、どうだ、クリスマスに間に合いましたよ!(実はかなり危なかった)
要はMiaにコスプレをさせたかっただけだという内容でした(汗)
あんな格好でうろつかれたら、おっさんじゃなくても落ち着かないかも・・・・。
というか、やっぱりあんまりイチャラブできませんでしたね。
クリスマスネタだというのに情けない・・・orz
ちなみにシスターっぽい頭装備を被ると洋服が破綻するのでフォトショで加工しております。
装備品などは後日まとめて御紹介する予定なので、暫しお待ちくだされ。
:::::::::::::::::::::::::::
それでは最後に、このお話のタイトルにもなっている曲を貼っておきます。
読んだ後に聞いていただければ、雰囲気も盛り上がるかも!?
「 バラ色の人生(訳詞付) / エディット・ピアフ 」
http://www.youtube.com/watch?v=HkFy9nE2zWo&feature=related
いい曲ですよね~。
ルイ・アームストロングが歌っているものも素晴らしいので、お暇な方はそちらもどうぞ。
皆様、よきクリスマスをお過ごし下さいませ。
さあ、どうだ、クリスマスに間に合いましたよ!(実はかなり危なかった)
要はMiaにコスプレをさせたかっただけだという内容でした(汗)
あんな格好でうろつかれたら、おっさんじゃなくても落ち着かないかも・・・・。
というか、やっぱりあんまりイチャラブできませんでしたね。
クリスマスネタだというのに情けない・・・orz
ちなみにシスターっぽい頭装備を被ると洋服が破綻するのでフォトショで加工しております。
装備品などは後日まとめて御紹介する予定なので、暫しお待ちくだされ。
:::::::::::::::::::::::::::
それでは最後に、このお話のタイトルにもなっている曲を貼っておきます。
読んだ後に聞いていただければ、雰囲気も盛り上がるかも!?
「 バラ色の人生(訳詞付) / エディット・ピアフ 」
http://www.youtube.com/watch?v=HkFy9nE2zWo&feature=related
いい曲ですよね~。
ルイ・アームストロングが歌っているものも素晴らしいので、お暇な方はそちらもどうぞ。
皆様、よきクリスマスをお過ごし下さいませ。
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