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ゆるゆるOblivion

Oblivion妄想RP日記です。渋親父率高いので、加齢臭漂ってます

面会

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今回からHDR+AA、解像度高、異方性フィルタリング8Xの環境で撮影してます。
フォトショで加工しなくてもとっても綺麗!
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-Skingrad城-

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二人は城の地下にある留置所の看守と、先程暴れていた大男について話をしていた。


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持ち物は武器やロックピックの他に目ぼしいものは見当たらなかった。
しかし、様々な種類の酒瓶やら薬瓶を大量に所持していた。
持ち歩くには少々かさ張り過ぎる。

「中身はなにかしら?」

「さあ、わかりません。おそらく麻薬かなにかの一種でしょう」
「薬中だからあんな騒ぎを起こしたんでしょうな」

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おっさんは瓶の蓋を開け、匂いを嗅いでいる。

「これはコーヒーだ。かなり濃度の高いものだな」

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他の瓶も口を開け匂いを嗅いでみたが、すべて同じだった。

「なんでコーヒー?しかもこんなに一杯・・・」

「さあ・・・」

看守は首を傾げるばかりだ。
誰もこの問いに答えられないようだった。


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「あの男性は今どうしてるの?」

「牢に入れた後、暫く騒いでましたが・・・・今は静かですね」

「様子を見てもいいかしら?」

「どうぞ」

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看守に男のいる独房の前まで案内してもらう。




「こちらです」

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中を覗いてみると、男は床に寝転がっていた。
先程あんなに暴れていたのだ。
疲れているのかもしれなかった。

「ねえ、聞こえる?怪我はない?」

返事がない。

「寝てるの?ねえ、ちょっと起きてくれないかしら。色々聞きたい事があるんだけど・・・」

やはり返事はない。

「爆睡中?」

私は目をよく凝らし、暗い部屋の様子を覗いてみた。

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かすかにだが、男の声が聞こえてくる。

喉から搾り出すようなか細い声。
この距離からだと何を言っているのか全くわからない。

「すいません、中に入れてもらえるかしら?」

「いいですが・・・、相手は何をするかわかりませんよ?警戒を怠らないようお願いします」

看守は注意を促した後、鍵を開けてくれた。
私は横になっている男の近く座りこみ、もう一度話しかけてみた。

「大丈夫?」

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男は意識朦朧としているのか、視線がうつろだった。
それでも私の存在に気づき、すがるように手を差し伸べてきた。

「・・・・たの・・む・・、くすり・・・瓶に・・・・」

息も絶え絶えな程のかすれ声。
彼はとても苦しそうだった。

「薬?」
「なんの薬が欲しいの?それはどこにあるの?」

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「しっかりして!」

男が目を閉じかけようとするのを必死に引きとめた。

薬?
何故薬が必要なの?
彼の所持品にそれらしい物はあったかしら?

机の上に置かれていた物を色々思い出してみようとしたが、気が焦るばかりで何も思いつかない。


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「持ってきたぞ」

おっさんが酒瓶を片手に持ち、後ろに立っていた。
確かそれは・・・・


おっさんが横に座り込んだ。

「聞こえるか?薬を持ってきてやったぞ。自分で飲めるか?」


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男は目を開け、小さく頷いた。
起き上がるのに少し手を貸してやると、彼は自分で酒瓶を持ち、中身をゆっくり飲み干していった。


「・・・・なんでコーヒー?」

彼は薬を欲しがっていたのに何故かコーヒーを飲んでいる。
私にはただの午後のひと時のように思えてしまい、不思議で仕方なかった。

「彼にとっては薬なのだろう」






瓶が空になると、大男は意識がハッキリしてきたのか、壁に寄りかかるように座り直した。

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「・・・・すまねぇ・・・、恩に着る・・・・」

「この瓶の中身は自分で作ったのか?」

おっさんは酒瓶を示した。

「・・・・違う・・・、貰ったんだ・・・」

彼はまだ少し苦しいのか、肩で息をしていた。

「誰にだ?」

「わからねぇ・・・、姿を見た訳じゃないからな・・・」

「詳しく話してくれないか」

大男はおっさんに促され、事情を説明し始めた。



彼の話はこうだ。


倒れている時に背後から何者かに毒物を注入されたらしい。
その毒物は”ゴンドール・カクテル”といい、体内のアドレナリンが減ると死に至ると聞かされた。
瓶類には大量のカフェインが含まれたコーヒーが入っており、
それが尽きた時、お前も死ぬと宣告されたそうだ。

だから、なるべくそれらを飲まずに生きながらえるため、
自らアドレナリンを活性化させようと乱闘騒ぎを起こしたそうだ。


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「そうだったんだ・・・」

Miaは兜を脱ぎ、息をついた。
その瞬間、大男は彼女の顔を見てギョッとした。

「お、お前・・・!」

「うん?なに?」


「お前のせいだぞ!!」


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「アンタが俺をぶちのめしたあの日、あの後、俺は毒物を打たれちまったんだ!!」



あの日というのは、橋の上で仁王立ちしていた彼をパンチ一発で吹っ飛ばした日のことだろう。
彼女がKnights of the Nineを復活させるため、忙しく走り回っていた時期の話だ。

「えー、そんなこと言われてもな~・・・」
「あの時は急いでたし、あなた私の身ぐるみを剥がそうとしてたでしょ?」




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「うぐっ・・・」


男は反論できず、言葉を飲み込んだ。
確かに彼女は通り過ぎて行っただけで、何も関係はないのだ。

「くそっ・・・、どうして俺がこんな目にあわなきゃいけねーんだ・・・」

肩を落としてうなだれてしまった。


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おっさんは静かにずっと男の様子を伺っていた。


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「ちょっといいか」

彼は私についてくるよう促すと、先に部屋を出て行った。





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