ゆるゆるOblivion

Oblivion妄想RP日記です。渋親父率高いので、加齢臭漂ってます

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ゴンドール・カクテル

二人は独房から少し離れた通路にいた。
おっさんは話を大男に聞かれたくないらしい。

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「どうしたの?」

「・・・ゴンドール・カクテルのことだ」
「その薬は他の大陸で開発され、この国には存在しない筈の物なんだ」

おっさんは気難しい顔をしていた。


「しかも、やっかいなことに解毒魔法が効かず、解毒薬は未開発ときている」

「え!」
「じゃあ、あの人は死ぬしかないってことなの!?」

思わず大声を上げてしまった。
おっさんにたしなめられる。


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「今の所、解決策がないことは確かだ」

「そんな・・・・」

彼女は暗い顔になった。
自分に非はないとはいえ、多少なりともキッカケを作ってしまったのだ。
彼女にはそれが心苦しかった。
それと同時に、どうしてこの国に存在しない筈の毒薬のことを、
人相の悪いこのおっさんが知っているのか不思議だった。

「ねえ、どうしてそんなにその薬について詳しいの?見た事あるの?」

「ああ」

「どこで!?」

「その前に、言わなきゃならんことがある・・・」

おっさんはさらに眉間に皺を寄せていた。
言い難いのか、次の言葉が出るまで少し時間がかかった。






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「ゴンドール・カクテルは私が作ったんだ」







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Miaは目を丸くしたまま固まっていた。
あまりのことで声が出ない。




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「もう、数十年も昔の話だ」
「私はこの国に渡って来る前、祖国で城付きの錬金術師をしていたんだ」

彼の口調は淡々としていた。
視線の先はうつろで、彼女の方を見ようともしなかった。

「その時に命令で作らされたのが猛毒”ゴンドール・カクテル”だ。」
「まさか、その被害者をこの国で目にすることになるとは・・・」

声に力がなくなった。
彼はよろよろと壁に寄りかかり、俯いたまま口を閉じてしまった。

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「・・・ねえ、開発したのがあなたなら、どうして解毒薬はないの?」
「普通、どちらも用意しておくものなんじゃないの?」

「解毒薬を開発中に妻が発病したんだ。私は看病のため、その仕事から退いた」
「引継ぎの話はなかったから、おそらくそのまま開発は中止になったのだろう」

「そんな・・・・」


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沈黙が訪れた。



おっさんは自責の念に駆られているようだった。
こんなに彼が打ちひしがれてる姿を見たことがない。
彼女はなんとか彼の力になれないかと考えてみた。

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「・・・ねえ、おっさん。解毒薬、作ってみたら?」


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「私がか?」

おっさんの声には驚きが混じっていた。

「そう簡単に言うが、一晩や二晩ですぐ作れるものではないんだぞ?」
「出来るかどうかわからないし、第一、彼の存命中に完成するとは思えない」

「でも、あなたが作った毒で、なんの罪も無い人が死んでいくのよ?」
「彼だけじゃないかもしれないし・・・」

自分で口に出した言葉にハッとし、思わず息を飲んだ。


何故なら、


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今まで見た事ないような悲しい目で、Azazelがこちらを見つめていたからだ。






その表情から、自分の言葉が彼を深く傷つけてしまったことを悟らざるを得なかった。
彼女はつい弾みで出てしまった言葉が、彼に追い討ちをかけていることに気がつき動揺した。

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「ご、ごめんなさい・・・」

「いいんだ。君の言う通りだ」

彼の声は普段からは想像できないくらい優しいものだったが、酷く弱々しく聞こえた。
それが彼女には一層辛かった。



Azazelは腕組をしながら、何かを考えているようだった。
彼女の言葉は思いがけず辛辣だったが、逆にそれが彼をその気にさせたようだ。

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「・・・腕は落ちてないと思うが、私一人では荷が重い・・・・」

スっと顔を上げると、独り言のように呟いた。

「奴に助力を仰ぐか・・・」


おっさんは腹を決めたようだ。
顔つきが変わった。
眼光に光が戻り、いつもと同じ鋭い表情に戻っていた。

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「君も手伝ってくれるか?」





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「もちろんよ」


彼女はニコっと微笑むと、快く返事をした。
おっさんはそんな彼女を見て少し救われるような気がした。


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