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ゆるゆるOblivion

Oblivion妄想RP日記です。渋親父率高いので、加齢臭漂ってます

罪と罰をきどってみる

今年初めから今の今までかなり引きずっております、舞台「罪と罰」を。
いや~、本当にね素晴らしかったんですよ。

ただ、感想を読み漁っていた時の印象よりは幾分大人し目で。
いつの間にか自分の妄想が暴走していたようです(汗)


私がドツボにハマったキャラ:スヴィドリガイロフという稀代の悪役がおるのです。
自分のツイートを引用しますと、

――金持ちで好色漢、狡猾で毒舌家。
虚無的な思想の持ち主だが年を取ってから年若い娘に生まれて初めて恋をし、変質的に追い回したあげく監禁。
色々手を尽くすが愛されない事を悟り自害。
外見は老紳士だが悪魔の化身――



という、私の性癖をくすぐりまくるキャラなのです。
原作の小説の方では後半辺りまで出てこないくせに、主人公を凌駕するほどのインパクトと人気を博しているようです。




ということで、影響を受けてそんな格好をさせられてるおっさんでございます。

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もちろん舞台では私が最も敬愛する山路氏が演じているわけですが……

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↑初登場、御本人様です(平伏)

なんか、なんかわかるでしょ?w

日程が千秋楽に近付くほど、どんどん変態度が増していっていたようでして。
残念ながら放送のあったwowowではそこまでじゃなかったんですよね(聞いていた話が本当に凄かったんですよ)
東京公演では見られなかった変態紳士を拝んで見たかったなぁ……

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↑色んな方の感想で”悪魔貴族的な老紳士”と称されていたのでそれっぽく。シェオゴラスっぽい?w



まだまだ胸の奥で燻っているこの思いを、後世の己のために綴っておかねばなりません。
ここから下は舞台「罪と罰」っぽいものを、放送時の台詞そのままにお送り致します。


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原作:ドストエフスキー、舞台「罪と罰」よりスヴィドリガイロフとドゥーニャ
場所はスヴィドリガイロフが下宿している部屋へ雨の中辿り着く2人

ドゥーニャの兄ラスコーリニコフ(主人公)の殺人を公にしない代わりに、自分を愛するよう脅迫するスヴィドリガイロフ。
(ちなみに以前ドゥーニャはスヴィドリガイロフの屋敷の家庭教師でした。そして彼女にはすでに婚約者(ラズミーヒン)がいます)


スヴィドリガイロフ:「すべては君次第」

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スヴィドリガイロフ:「君にしかできない。君の一言があればお兄さんは救われる。
私には金と人脈があるんだよ。
お兄さんが旅券が必要だと言うなら私が手に入れよう。君の分も、お母さんの分も手に入れよう。

私は君を愛してる。限りなく愛してる。
どうしてラズミーヒンと一緒にならなければならないのだ!」


彼は取り乱した様子で泣き崩れ、彼女のスカートの裾を掴んだ。

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スヴィドリガイロフ:「君のスカートの裾に口づけをしたい、そうさせてくれ、頼む……」


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スヴィドリガイロフ:「頼むから……私に命令してくれ、どんなことでもいう事をきく。
君が信じるものなら、どんなことでも信じる」


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スヴィドリガイロフ:「……そんな目で見ないでくれ……、頼む……頼むから……。
           君は、私の命を握っている!


彼は彼女のスカートをたくし上げると、彼女の放つ体臭を思い切り鼻腔に吸い込んだ。
呻きながら、何度も何度も。


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ドゥーニャ:「……助けて……ドアを開けて、……誰か、助けて……」


なすがままにされていた彼女は勇気をふり絞ると、すがり付いてくる彼から逃げるように離れた。
彼女は泣いていた。

ドゥーニャ:「……あなたは……悪魔……?」

スヴィドリガイロフ:「どうぞ、……なんとでも」

彼は己の指に接吻するとその指で彼女を意味ありげに指した。


スヴィドリガイロフ:「これは仮定の話だ」

「この状況じゃ暴力は卑劣だ。
ただし、君が自ら進んでお兄さんを救う道を選ぶのは良心に照らして何もやましいことじゃない。
わかるかな?君はその前に働いた力に従ったにすぎない。
君のお兄さんとお母さんの運命は君の手の中にある、そしてこの私は君の奴隷になりたいと願っている!
ここで!一生ここで待ってる!」

力説している彼にドゥーニャは静かに銃口を向けた。

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彼は不気味な笑いを浮かべる。

スヴィドリガイロフ:「これはまた風向きが変わったなぁ。フフフ……随分懐かしい銃を持ってるじゃないか」


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ドゥーニャ:「一歩でも近付いたら殺します」

スヴィドリガイロフ:「ではお兄さんはどうなる?まぁ、この期に及んでは、非常に難問になったがねぇ」

ドゥーニャ:「警察に言いたければそうしなさい。動かないで!」
「本当に撃つわよ!!」

スヴィドリガイロフ:「いや、撃てない」

ドゥーニャ:「この人殺し」 (注:彼には奥さんを殺した、という噂があります)


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スヴィドリガイロフ:「君は忘れてしまったようだな、どんなにその身を委ね、どんなにその胸を高鳴らせたか、あの時のあの目を見ればわかる。
……私を撃つんだろ、私の可愛い獣よ。……さぁ、ほら、撃ってごらん!」

「今ほど美しい君を見た事が無い」


ズキューン

轟く銃声。
彼はおもむろにハンカチを取り出すと左頬を軽く拭った。
細い血の筋がついている。

スヴィドリガイロフ:「……小さな蜂に刺されたみたいだ」
「頭を狙ったね。撃ち損じだ。気にする事は無い、さぁ、おいで」


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ドゥーニャ:「近寄らないで!必ずあなたを殺す!」
(この台詞は聞き取れない部分があったので割愛しています)

スヴィドリガイロフ:「3歩の距離なら外さない。わかってるだろ、君なしで生きるなら私は死んだ方がマシなんだ」


銃口を向ける彼女に向かってゆっくりと歩み寄っていくスヴィドリガイロフ。
彼はその銃身を掴むと、「弾がちゃんと入ってない」とその先を己の胸に押し当てた。

「大丈夫、まだ一発残ってる」

酷くうろたえるドゥーニャ。
彼は淡々と言葉を続けた。

「装填し直しだ」

パッと銃身から手を離す。

「待つよ」


そんな彼の様子から悟ったのか、彼女はすべてを諦めたように床に座り込んでしまった。
そして銃を置くとフラリと力なく立ち上がった。
グイっ……と彼が腰を掴んで引き寄せる。
吐息が生温く頬を霞め、唇で体温が感じられるほどの距離に悪魔のような男が佇んでこちらを覗き込んでいる。

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ドゥーニャ:「……私を逃がして……」


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彼は酷く怪訝そうに眉をしかめた。

スヴィドリガイロフ:「……そんなに愛されてないとは……」

自然に手が動き彼女の首を絞め始めた。
その表情には笑顔とも泣き顔とも読み取れるなんともいえない色を滲ませている。

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スヴィドリガイロフ:「愛してくれないのか、ドゥーニャ、どうしても」


彼は彼女の頬から顎にかけて慈しむように撫でると、静かに体を引き離した。



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「ほら、鍵だ。これで開けなさい。サッサと行くんだ。……行くんだ早く!」


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彼女は鍵を手に取ると逃げるように部屋を出て行った。


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そしてスヴィドリガイロフは落ちている銃を拾い上げると、意を決したように彼もまた部屋を後にした。



~おわり~

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このあと彼は、自分の財産をすべて差し出し様々な貧しい人々を救った後、顎を打ち抜いて自殺してしまいます。
もうほんとにねー(涙)
スヴィドリガイロフとドゥーニャのこのシーンは何度見てもドキドキしちゃいます。
所々凄い台詞がありますよねw

このスヴィドリガイロフというキャラの考察や背景を紐解いていくと、とてつもなく魅力的過ぎて、まさに”怪人”。
凄いぞドストエフスキーって感じです。



(注意:文章中にはどのような情景なのかわかり易いように勝手に色々と付け足しています。
舞台を観て私がその時感じた事なので、実際にはどうなのかはわかりません)

1866年に出版されたそうですが、内容は現代にも通じるところがあってとても面白かったです。
原作は無茶苦茶長いらしいのですが、いつか読んでみたいなぁ。

再演を切に願っておりますのよ。


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