ゆるゆるOblivion
Oblivion妄想RP日記です。渋親父率高いので、加齢臭漂ってます
初老の朝
おっさんの家に居候として住み始めてから、ひと月とちょっと。

Miaは一番広く暖炉もあるという理由から、彼と同室で寝させてもらっていた。
しかし、さすがに年頃のうら若き女性と一緒という事にAzazelはかなりの抵抗感を示しており、
日々頭を抱えていた。
理由はそれだけではなく、彼自身のプライベートがなくなるということも重大な要素だった。
そんなこともあって、彼女の新居資金を溜めるまでの間借りなのに、おっさんは彼女のために簡単な寝室をこしらえてくれたのだった。
部屋をカーテンで仕切っただけの簡素なものだし、ベッドが一つしか置けないような狭い空間だが、Miaはその心遣いに感謝していた。
これで部屋にノック無しで入っても、Miaの着替えにバッタリ出くわすこともない。
Azazelの一番の悩みの種がこれで解決したのだ。
彼は安堵感を覚えずにはいられなかった。
一緒に住み始めてからMiaはあることに気付いた。



毎朝ではないが、おっさんは起床後に痛そうな呻き声をあげていることが多々ある。
オヤジ特有の”う~・・・”という低い唸り声のような響き。
朝、起きるのが辛いのかな?と思い、そっと仕切りであるカーテンをめくってみると、
ベッドに腰掛けたまま腰を抑えて俯いている後姿が目に入った。
とても痛そうだ。
こんなことが週に2~3回程ある。
「・・・大丈夫?」
眠そうな顔をしながらゆっくりと彼に歩み寄るMia。
「早いな。君はまだ寝てる時間だろ」
Azazelはいつも7時に起きる。
Miaは8時過ぎに起きる。
本来なら、彼女はまだ夢の中の筈だ。
「だって、痛そうな声あげてるから・・・」
心配だった。
彼が外で働いている時、腰が痛い素振りなどしたことがない。
剣を振るってる姿を見ても、体に不具合があるようには見えなかった。
「50過ぎれば誰でもこうなる。その内わかるよ」
年齢的に体にガタがきててもおかしくないのだ。
彼の腰にも長い年月をかけて相当負担がかかっているのだろう。
「私がわかる頃には、あなたはどうなっているのかしら?」
「おそらく、この世にはもういないだろう」
二人の歳の差はおよそ30。
Miaが50歳なら、Azazelは80歳だ。
この時代に、この稼業をこなしながらそこまで生き延びることは難しいだろう。
自分とおっさんの年齢差が思いがけず大きかったことに、彼女はちょっと面食らっていた。
普段意識はしていないが、実際には親子ほどの差があるのだ。
「年寄りじゃあるまいし、そんなこと言わないでよ。」
「立派な年寄りなんだがな」
Miaはちょっと困った顔をした。
彼が年寄りだったら、世のお年寄りは皆生ける屍だ。
Azazelは見た目も中身も実際の年齢とは掛け離れた若さを保っているように彼女には思えるのだ。
そんな彼が自分は年寄りだとぬかしている。
正直、何言ってるんだこのオヤジは、とカチンときた。
世の中の本物のお年寄り達に失礼だろうと、ちょっと腹立たしく思ったくらいだ。
「弱気なこと言わないでくれる?あなたなら100歳まで余裕で生きれるわよ」
「腰痛さえなければ、それもいいかもしれんがな」
「この痛みを抱えたままはごめんだ」
「・・・そんなに痛いの?」
「痛いよ。」
「・・・40過ぎると体のあちこちに支障が出てくる。歳を取るごとに目が覚める時間も早くなるしな・・・」
彼は痛そうに息を吐くと、ゆっくりと立ち上がった。
「若い頃には平気でやれてたことが、今じゃあ・・・すぐに関節が悲鳴をあげてロクに動き回ることもできん」
「最初はショックだったな」
Miaは同情したような顔つきで、辛そうな彼を見つめていた。
「でも、戦闘中のあなたからはそんな気配微塵も感じられないわよ?」
「こちらも必死だからな。関節が痛いなんて言ってる場合じゃないだろ」
「まあ、そうだけどさ・・・」
自分にとってはまだまだ先の話だが、いつか必ず自分の身にも起きることだ。
老化現象とはそういうものだ。
「老いるのも楽じゃない」
彼は苦笑しながら、ヨタヨタと着替えを取りに行った。
その姿がMiaにとっては少しせつなかった。

手を貸したら年寄り扱いするなと、怒られそうだし、かといって見守ってるだけというのも気が引ける。
なんだか心に靄がかかったようにMiaは淀んだ気持ちになってしまった。
本来なら見れない素のままの姿。
見てはいけないような気がして、彼女はそっと目を逸らした。
Miaは何事もなかったことにして、自分も着替えようと彼に背を向けた。

Miaは一番広く暖炉もあるという理由から、彼と同室で寝させてもらっていた。
しかし、さすがに年頃のうら若き女性と一緒という事にAzazelはかなりの抵抗感を示しており、
日々頭を抱えていた。
理由はそれだけではなく、彼自身のプライベートがなくなるということも重大な要素だった。
そんなこともあって、彼女の新居資金を溜めるまでの間借りなのに、おっさんは彼女のために簡単な寝室をこしらえてくれたのだった。
部屋をカーテンで仕切っただけの簡素なものだし、ベッドが一つしか置けないような狭い空間だが、Miaはその心遣いに感謝していた。
これで部屋にノック無しで入っても、Miaの着替えにバッタリ出くわすこともない。
Azazelの一番の悩みの種がこれで解決したのだ。
彼は安堵感を覚えずにはいられなかった。
一緒に住み始めてからMiaはあることに気付いた。



毎朝ではないが、おっさんは起床後に痛そうな呻き声をあげていることが多々ある。
オヤジ特有の”う~・・・”という低い唸り声のような響き。
朝、起きるのが辛いのかな?と思い、そっと仕切りであるカーテンをめくってみると、
ベッドに腰掛けたまま腰を抑えて俯いている後姿が目に入った。
とても痛そうだ。
こんなことが週に2~3回程ある。
「・・・大丈夫?」
眠そうな顔をしながらゆっくりと彼に歩み寄るMia。
「早いな。君はまだ寝てる時間だろ」
Azazelはいつも7時に起きる。
Miaは8時過ぎに起きる。
本来なら、彼女はまだ夢の中の筈だ。
「だって、痛そうな声あげてるから・・・」
心配だった。
彼が外で働いている時、腰が痛い素振りなどしたことがない。
剣を振るってる姿を見ても、体に不具合があるようには見えなかった。
「50過ぎれば誰でもこうなる。その内わかるよ」
年齢的に体にガタがきててもおかしくないのだ。
彼の腰にも長い年月をかけて相当負担がかかっているのだろう。
「私がわかる頃には、あなたはどうなっているのかしら?」
「おそらく、この世にはもういないだろう」
二人の歳の差はおよそ30。
Miaが50歳なら、Azazelは80歳だ。
この時代に、この稼業をこなしながらそこまで生き延びることは難しいだろう。
自分とおっさんの年齢差が思いがけず大きかったことに、彼女はちょっと面食らっていた。
普段意識はしていないが、実際には親子ほどの差があるのだ。
「年寄りじゃあるまいし、そんなこと言わないでよ。」
「立派な年寄りなんだがな」
Miaはちょっと困った顔をした。
彼が年寄りだったら、世のお年寄りは皆生ける屍だ。
Azazelは見た目も中身も実際の年齢とは掛け離れた若さを保っているように彼女には思えるのだ。
そんな彼が自分は年寄りだとぬかしている。
正直、何言ってるんだこのオヤジは、とカチンときた。
世の中の本物のお年寄り達に失礼だろうと、ちょっと腹立たしく思ったくらいだ。
「弱気なこと言わないでくれる?あなたなら100歳まで余裕で生きれるわよ」
「腰痛さえなければ、それもいいかもしれんがな」
「この痛みを抱えたままはごめんだ」
「・・・そんなに痛いの?」
「痛いよ。」
「・・・40過ぎると体のあちこちに支障が出てくる。歳を取るごとに目が覚める時間も早くなるしな・・・」
彼は痛そうに息を吐くと、ゆっくりと立ち上がった。
「若い頃には平気でやれてたことが、今じゃあ・・・すぐに関節が悲鳴をあげてロクに動き回ることもできん」
「最初はショックだったな」
Miaは同情したような顔つきで、辛そうな彼を見つめていた。
「でも、戦闘中のあなたからはそんな気配微塵も感じられないわよ?」
「こちらも必死だからな。関節が痛いなんて言ってる場合じゃないだろ」
「まあ、そうだけどさ・・・」
自分にとってはまだまだ先の話だが、いつか必ず自分の身にも起きることだ。
老化現象とはそういうものだ。
「老いるのも楽じゃない」
彼は苦笑しながら、ヨタヨタと着替えを取りに行った。
その姿がMiaにとっては少しせつなかった。

手を貸したら年寄り扱いするなと、怒られそうだし、かといって見守ってるだけというのも気が引ける。
なんだか心に靄がかかったようにMiaは淀んだ気持ちになってしまった。
本来なら見れない素のままの姿。
見てはいけないような気がして、彼女はそっと目を逸らした。
Miaは何事もなかったことにして、自分も着替えようと彼に背を向けた。