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ゆるゆるOblivion

Oblivion妄想RP日記です。渋親父率高いので、加齢臭漂ってます

甘い物と若い女

~ChorrolのFighters Guild~

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おっさんの勤務地はSkinglad支部だが、Miaの本拠地はChorrolだった。
といっても、彼女はあまり本部へは顔を出さない。
基本的に野山を駆け巡っており、沢山の依頼をひとりでこなしていることの方が多い。
ギルドマスターの仕事もほとんどChorrolのサブマスターであるModrynが引き受けている。

ということで、久し振りにChorrol本部へと顔を出した。


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「・・・相変わらず、幽霊部員みたいだよな、お前」

ムスっとした表情でModrynが出迎えてくれた。
彼女は体裁を取り繕うように愛想笑いを浮かべている。

「・・・えへへ・・・、本当、申し訳ない・・・」

毎月のギルドのあがりを調べるため、金庫の中身を確認しに来たのだ。

「いつも言ってるが、もうちょっと顔出せよ。お前に紹介してない新人だっているんだぞ?」


そう言って彼は机上の書類をトントンと指で突いた。
そこにはMiaの知らない新メンバーの名前や略歴などが書かれていた。

「3人増えたの?」

「そうだ。入ったばかりだから、使い物になるかどうかは、まだ未知数だ」
「ま、生き残ってくれりゃ、その内使えるようにもなるんだろうがな」

彼は鼻から大きく息を吐くと、腕を組んだ。
そして思い出したように再び口を開く。

「ああ、そうそう、お前が連れてきたChevって野郎、あいつ使えるな。腕っぷしもいいし、度胸もある。」
「あっという間にサブマスターまでいけんじゃねーか?」

彼はChevを高くかってるようだ。
Mia以来の逸材とまではいかないが、それに引けを取らないくらいの人物だと思っているフシがある。

「あなたもそう思う?」
「彼は信頼出来るし、とても良い人よ。重要な仕事を任せても心配ないんじゃないかしら」

「そうだな。フン、来月には昇進させてやるか」

彼は満足そうに笑みを浮かべた。



「ねえ、所でさ・・・・」

Miaは話を変えるため語尾に余韻を含ませた。
今日はあがりを調べにきたということにしてあるが、本当の目的は違うものだった。

「Modrynはおっさんと同い年くらいなのよね?腰痛とかあるの?」

「同い年っていっても、Dunmerと人間じゃ歳の取り方が違うんだ。一概に同じとは言えないぞ」
「まあ、腰痛は俺もたまにあるけどな。だけど、それは別に歳とか関係なく、誰にだってあるだろ?」

「痛いときはどうするの?」

「マッサージかな。知り合いにうまいのがいるんだ。揉み解すと大分楽になるかなー」
「なんだ、あいつ腰が痛いのか?」

「うん」

「あいつの場合は完全に歳からきてるな。仕方ねーことだが、腰だけはどうにもならんからな・・・」


体験者にしかわからない事柄があるのだろう。
Miaは腰痛になったことがないので、痛みの度合いや、どういう状態になるのかということがよくわからなかった。
ただ、とても痛そうだということだけはわかる。

「予防策とかないの?」

「色々あるが、なる時はなっちまうからなー・・・。」
「急に重いものを持って立ち上がらない、とかかな?」


これといった予防策・解決策を彼は知らないようだ。
というか、ないのかもしれない。


「あいつ自分の年齢のこと棚に上げて、無理してお姉ちゃんに奉仕しちまったんじゃねーのか?」
「なあ?」

「なに、それって下ネタ?つまんないわよ」

「馬鹿言うなよ、俺は本気で言ってるんだ」

とか言いつつ、顔が笑いで歪みまくっている。
何がそんなに楽しいのだろう。
Miaは馬鹿馬鹿しいなと思いながらも、つい釣られて笑ってしまった。
Modrynの下ネタはいつもおっさんを辱めるようなものばかりだ。
おそらく、彼なりに友情を示しているのだろう。
かなり屈折しているが。


「お前も気をつけろよ。一つ屋根の下で暮らしてんだ、何が起きても受け止めてやるくらいの気持ちでいなきゃな」
「あいつに無茶すんなって言っといてくれ。俺と違ってじーさんなんだからよ。」

「わかったわ」


Miaは帰るため階下へと降りていった。
1階ホール中央で立ち止まり、見送ってくれるModrynに向き直ると、こう続けた。

「Modryn、今日バレンタインデーなんだってさ。知ってた?」

「話には聞いてるが、よくわからん。何か良い事があるのか?」

「チョコレート貰えるらしいよ。愛の告白と一緒に。」

「甘ったるい話だな。で、お前は俺にそれをくれるのか?」

「欲しいの?」


Modrynはちょっと口ごもった。
何か色々と考えてるようだ。


「・・・勘弁してくれ。俺は甘い物も、若い娘も苦手だ。」

「なに本気にしてるのよ(笑)」


彼女はModrynの意外な反応にかなりウケているようだった。
軽快に笑っている彼女を見て、彼は恥ずかしい素振りを隠すためムっと睨み付けた。


「馬鹿野郎、誰が本気にしたよ。・・・全く、クソみたいな習慣だな。」


彼は吐き捨てるように苦々しく言い放つと、Miaを見送ることをやめ、二階への階段を昇っていってしまった。

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そんなModrynがちょっぴり可愛く思えた。


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