ゆるゆるOblivion

Oblivion妄想RP日記です。渋親父率高いので、加齢臭漂ってます

感謝の気持ちを込めて

~おっさんの自宅~


「Eyja、ちょっと頼んでもいいか?」

「ええ、旦那様」


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雑用をこなしていたEyjaを連れて、おっさんは自室の扉をくぐった。
真っ直ぐベッドへ歩いて行くと、靴を脱ぎ、横になる。
机に向かって日記を書いていたMiaが何事かと思いそちらを向くと、
Eyjaが慣れた手付きでマッサージをし始めたところだった。
腰元を中心にゆっくりと揉み解していく。

Miaは暫く眺めていたが、見ていても仕方ないので、再び日記にとりかかることにした。
後方から、おっさんの喉から搾り出すような息とも声ともつかぬものが聞こえてくる。
2人のやり取りは的確で、無駄のないもののように思えた。
余程やりなれているのだろう。
裏を返せば、おっさんは大分昔からEyjaにマッサージをさせているということになる。
痛みが慢性化しているということが、Miaにもなんとなくわかった。


30分程すると、「おやすみなさいませ」と2人に言い残しEyjaは階下へと戻っていった。
Miaは日記から目を離し、後ろを振り返ると、おっさんがベッドの上で首を回したり、
肩を動かしたりしていた。
まるで自分の体を確かめるように、各関節を動かしている。


「どう?少しは楽になったの?」

Miaは椅子から立ち上がり、ベッドの足元へと歩み寄った。

「まあな。」
「Eyjaにはよくマッサージを頼むんだ。いい腕だよ。あまり長い時間やらせるのは悪いから、そこそこで切り上げてしまうが・・・」

おっさん的にはもうちょっと続けてほしいという気持ちがあるのだ。
マッサージが結構な肉体労働だということを知ってるので、最高でも30分と決めていた。


「私もやってあげようか?」

物足りなそうなおっさんを見て、ついそんなことを口走ってしまった。


「やったことあるのか?」

「うーん、どうだろう」
「やらせてみたら、わかるんじゃない?」


おっさんは渋々うつ伏せになった。
ベッドサイドに立つと、Miaはおっさんの腰元に指を当て、ぎゅっと肉を掴んだ。
もみもみ・・・と、肉を揉む。


「おい」

鋼のような鋭い声がとんでくる。
おっさんがうつ伏せ状態のまま、顔だけこちらに向けていた。
眉間に皺が寄っている。

「なにしてるんだ?」

「え?マッサージだよ?」


おっさんは身を起こした。


「肉をもきゅもきゅされても、くすぐったいだけだ」

彼はベッドから立ち上がると、Miaに横になるよう促した。
躊躇している彼女をせかし、半ば無理矢理うつ伏せにさせる。


「いいか、これから実際にやってみせるから、ちゃんと覚えてくれ」

そう言うと、彼はMiaの背後に周り、腰に手のひらを押し当てながらグリグリと擦った。

「最初は手のひらで患部を擦れ。その後、ゆっくり捏ねる」


何度かそれを繰り返すおっさん。

Miaはおっさんの手元を見ようと顔だけ振り返らせた。
しかし、ツボを押される度に”ふごぉっ”と変な声が出てしまうので、笑ってその恥ずかしさを誤魔化すしかなかった。

「真面目に聞いてるか?」

「・・・ふぐぅっ・・・うっふっふ、き、聞いてるよ・・・」

「この辺は腰痛のツボだ。この辺りを親指で押してほしいのだが、その時、私の呼吸に合わせて押して欲しい」
「私が息を吸ったときに押し、吐いたときに離す。難しいかもしれんが、やってる内にわかるだろう」

彼は第2腰椎と第3腰椎の傍にあるツボを押しながらそう伝えた。
一通り腰の揉み方を教えると、今度は背中へと手を移動させた。
説明をしながら肩、首へと場所を変え、体の上部を揉み終えると、彼はベッドから降りサイドに立った。
Miaはぐったりと突っ伏している。

「まあ、こんな感じだ。なんとなくわかっただろ?」

「・・・うん・・・」

「どうした?」

Miaの声はかすれていた。
マッサージされたことにより、身も心もすっかりほぐされてしまったのだ。

「・・・おっさん、マッサージうまいね・・・」

今、ここで、このまま寝てしまいたい。
そんな衝動に駆られていた。
物凄く気持ち良かったのだ。
おっさんはツボをよく知ってるので、その効果が覿面に現れており、Miaをこんな状態にしてしまったようだ。


「おい、私にしてくれるんじゃなかったのか?君がぐったりしてどうする。」

「・・・ああ・・・、そうだったわね。ごめんなさい」



Miaが気だるそうに起き上がると、再びおっさんが横になった。
彼女は彼の手の動きを思い出しながら、ゆっくりと腰を揉み始めた。

「・・・うん、そうだ、最初とは比べ物にならないな」

彼は安心したように息をつくと、目を閉じた。

「痛くない?」

「大丈夫だ」


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数分揉み続けただけで、Miaは息が上がってきてしまった。
手にもうまく力が入らない。

「・・・・結構、揉むのも大変なのね・・・」

「疲れたらやめていいぞ。まだ5分も経ってないが・・・・」

「え、まだそんな?もうちょっと頑張らせてよ」


Eyjaは30分続けたのだ。
勝つのは難しいにしても、せめて10分以上はやりたかった。
Miaは額に汗を掻きながら一生懸命やり続けた。
少しずつ揉み慣れてくると、うまく体重移動させてあまり力を入れずに押せるようになってきた。
それでもやっぱり大変な作業だ。

おっさんは一生懸命揉み解している彼女の姿を、チラリと横目で一瞥した。


ふふっ・・・


Azazelの笑い声が、ふと、Miaの耳に届いた。

「なに?なにか面白い?」

「いや、そうじゃない・・・」
「ちょっと昔のことを思い出しただけだ」

「昔のこと?どんなこと?」


おっさんはまだ笑っているようだった。
微笑みながら、彼は静かに言葉を口にした。


「・・・娘がまだ小さい頃だ。今みたいに、よく、マッサージをしてくれたんだが、子供だから全然力がなくてね・・・」
「2~3分で力尽きるんだが、納得いかないみたいでな。手でやった後、体の上に立ち上がって足踏みしてくれるんだ」

おっさんは少し気持ち良さそうに息を漏らすと、さらに話を続けた。

「娘は食が細かったからちょっと痩せ気味だった。だから上に乗られても軽すぎて重さを感じないんだ。」
「足踏みされても、くすぐったいだけでね・・・・」



「だけど、いつも必死にしてくれたな・・・」



Azazelは懐かしむように、しみじみと言葉を噛み締めていた。
その表情は穏やかで、優しい父親の眼差しを湛えていた。

「・・・面白い話じゃなくてすまんな。」

「ううん。そういう話、もっと聞かせてくれればいいのに。可愛い娘さんだったのね」

「・・・・そうだな・・・・。」


話し終えると、彼は現実の自分の置かれている状況を思い出し、悲しそうに目を伏せた。

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暫くしてから、マッサージを終えたことを知らせるため、Miaはおっさんの頭をわさわさと撫でた。
彼はうとうとしていたのか、ハっと目を開いた。

「終わったわよ。と、言っても結局15分くらいしかできなかったけどね」

Miaはうつ伏せのおっさんの背中から降りると、靴を履いた。


「ありがとう。かなり楽になったよ」

おっさんは身を起こしながら礼を述べた。

「いいのよ、だって今日はバレンタインデーだもの。日頃の感謝の気持ちを込めて、ね。」

Miaはニコっと笑った。

「チョコレートなくてごめんなさい」

ちょっぴり申し訳なさそうにしている。


「気にするな。」
「Eyjaはただ、記念日とか、行事とか、そういったものが好きなだけなんだ。
君まで感化される必要はない。」

彼は靴を履くと、部屋の中央へと歩いて行ってしまった。
テーブルの上にはEyjaがくれたチョコレートが置いてある。

「せっかくだ、一緒に食べよう」

小さくて可愛らしいチョコレートは見た目にも楽しかった。
Miaが席に着くと、おっさんはさっそくそれを口に放り込んだ。
彼女はじっとそれを見つめている。

「どうした?嫌いか?」

「ううん、好きよ。チョコレートは大好き」

「どれでも好きなのを選んでくれ。トリュフなんかいいんじゃないか?」

「・・・・」


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Miaはどうしようかと迷っているようだ。
なかなか手を出そうとしない。

「旨いな。これは中にオレンジソースが入っているようだ」

彼は吟味していた。
甘い物が好きなので、色々と詳しそうだ。
それを物欲しそうに未だ眺め続けているMia。
不審に想い始めたおっさんが、再度彼女に声を掛ける。

「旨いぞ。食べないのか?」

取りやすいよう、器を彼女の方へ近づけてあげた。
彼女はじっとチョコレートを見つめ続けている。

「・・・あのね・・・」

「うん?」

「・・・私、チョコレート大好きなんだけど・・・」
「食べると鼻血が出るの」

「え?」


聞き返すおっさん。
Miaが恥ずかしそうにもう一度繰り返した。


「だから、食べると鼻血が出るのよ・・・」

おっさんは笑いをこらえているのか、口元を歪ませていた。

「君は子供か・・・?」

「うるさいな。出るもんはしょうがないでしょ」
「食べるとのぼせちゃうみたいで、昔から駄目なのよね・・・」しょぼん


ははははは・・・・


オッサンは声に出して笑いだした。
面白いからというよりも、あまりにも子供っぽく、可愛いと思ってしまったからだ。


「そうか、なら無理はしない方がいい。鼻血が出るんじゃな・・・」くっくっく

「もう!チョコレート大好きなのにこれだよ!おまけに笑われるし・・・・、くそっ!!!」キーーッ


Miaは悔しそうに叫びながら、勢いでチョコレートをつまみ、半ばヤケ気味にポイっと口に放り込んだ。


「うまっ」


立て続けに2個ほど口に入れる。
もぐもぐもぐ・・・
口の中がチョコレートで一杯になり、頬がもりもりと膨らむ。

「一気に頬張りすぎだぞ。君はおそらく鼻の毛細血管が弱いのだろう。
ゆっくり少しずつ食べた方がいい」

「そんなこと、わかって・・・」
「あ」

鼻の奥から液体が垂れて来る感覚がある。
彼女は咄嗟に顎を少し上に傾けた。

タラ・・・

右小鼻から赤い液体が流れ出た。
鼻血だ。
彼女はサっと、手でそれを覆い隠した。

「やばっ・・・」

「おいおい、興奮しすぎだぞ」

彼は苦笑しながらティッシュを渡してくれた。
Miaはそれで鼻を押さえると、ガックリと肩を落とした。


「鼻に詰めないのか?」

おっさんは半笑いで彼女の様子を伺っている。
ムっとした表情でMiaはおっさんを見やると、鼻声で反論した。

「詰めると渇いたあと取り出し辛いのよ。せっかく治まったのに、また出ちゃうこともあるしね」

「経験済みか」

「もちろんよ。鼻血暦はかなり長いのよ」

「そういうことは覚えてるんだな」

「・・・そういえば、そうね・・・」


過去の記憶はほとんどないが、鼻血に関することだけは覚えているようだ。
おそらく、幼少の頃からよく鼻血を出していたのだろう。
その経験が、体に染み付いてるのかもしれない。


「もう出ちゃったんだから、気にすることないわよね」

彼女はどうでもよくなったのか、チョコレートを食べ続けた。
なのに、血の味が混じってしまい、本来の美味しさを堪能できない。
それでも美味しいと感じられるのは、余程出来の良いチョコレートなのだろう。


「おっさん、来年は私もチョコレートあげるね」
「で、一緒に食べよう?」


彼は目を細めて穏やかな表情を浮かべながら、「そうだな」と静かに頷いた。
鼻血を出しながらもチョコレートを食べ続ける彼女を、今までにないくらい身近に感じながら。


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-Happy Valentine !-



END


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CSを少しいじれるようになったので、この話のためにSkingladの自宅3階のみにちょっとだけ手を加えてみました。
おかげでこの部屋自体がおかしなことに・・・orz
よくわからないくせに適当にいじるのはよくないですね(涙)
いつか建物Modを自作したいんだけどな~・・・。


バレンタインデー用に書いたくせに、どこにも甘い要素がないという、なんとも不届きな内容になってしまいました。
一体いつになったらラブラブ話へもっていけるのやら。


というか、ラブラブできるのか!?


個人的には完全にくっつく直前のすれすれ具合の時が一番萌え成分が高いと思ってます。
なので、寸止め海峡目指して頑張ります。


あと、”チョコレートを食べると鼻血が出る”というのは都市伝説だそうです。
でも、子供や鼻の毛細血管が弱い人は食べ過ぎると出血することもあるみたいです。
私は子供の頃にチョコやピーナッツを食べ過ぎてよく鼻血を出してました。
しかも蕁麻疹も出るのでチョコレートは苦手です・・・


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